ラース・ルラシオン
@purana
第1話パッカーン
ドーン。
「う~ん、なんだよこんな時間に」
俺は目を擦り、ゆっくり体を起こす。
俺から見て右にある時計の針は、3時を指していた。
眠い。
かと言って俺は、一度起きてしまうとなかなか眠れない。
「ホントやめてほしいわぁ。」
そんな自分の体質に苛立ちを覚えながら、悪態を付いてみる。
眠くなるのを待つのにも暇だし、気分転換にでも、さっき音がしたところに野次馬しに行くか。
そんな乗りで俺はパーカーを羽織って外に出た。
もう春ということもあって外の空気はそれほど冷たくはなかった。
「たしかこっちの方から音がした気がするんだけどなぁ」
と独り言を言いながら音のした方向に足を進める。
3つ目の角を曲がったその目の前にそれはあった。
グラウンド。
ふだんは少年達が野球やサッカーをして遊んでいて、休日になると老人達がパターゴルフをしている。探せばこんなグラウンドいくつでもあるだろう。
俺もふだんこの道を通って学校に行っているのでよく知っている。
そんなグラウンドに見慣れないものが月の光に照らされて黒光りしていた。
なんだあれ?
ボールの様な、カプセルの様な、丸くて黒い物体がそこには浮いていた。
大きさは、3mと言ったところだろうか?
そういえばだけど、辺りに人はいない。
なんだか不気味だ。
てか、何で浮いてんだ!?
いまさらながら驚く俺。
突っ立っててもつまらないので 、恐る恐る近づいてみる。
周りを回ってみる。
地面は少しえぐれているが、そのほかに俺が気づいたことはない。
キューーー。
……ん?
キューー。 キューーー。
この丸いのからかな?電気自動車が出すよう、そんな小さな音が聞こえてきた。
キューーー。
やっぱり聞こえる。
……うーん。
俺がしばらく唸っていると、カプセルに動きがあった。
ウイーンという音を立てて、3本の足? をだした。
そのまま着陸する。
俺が呆然としていると、プシューという炭酸の飲み物を初めて開けるときみたいな音を立てて真っ直ぐ縦に亀裂が入る。
「何が起こるんだ!?」
俺がビビリながら驚いてワクワクするという、そんな器用なことをやってると。
パッカーン。
そんな間抜けな音と共に開いた。
開いた!?
確かにそれは真っ二つに開いていた。
これどっかのCMで見たことあるような…気のせいかな?
正確には真っ二つというわけでわない。
その中心には、黒い輪郭がポツンとある。
でもパカーンだって…
え!? ダサくね!?
期待してたのをあざけ笑うかの様な開き方をしたので、割とムカついた。
いや、もうちょい頑張れよ!
プシューまで良かったのに台無しだよ!
と、俺が心の中で叫んでいると、黒い何かが中からゆっくりと出できた。
それは人の形をしているが、全身黒一色に染まっている。
よく見ると、黒いヘルメットに黒いエヴァ〇ゲリオンのパイロットスーツみたいな感じだった。
その黒いのは、カプセルの縁から華麗にジャンプ!!
綺麗に着地ッ!! と思ったら……
スルッ、ペタン。
こけた。
格好がよろしくなかった。
つまりダサかった。
黒いのは何もなかったかのように立っているが…
俺こんなの見に来たのか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます