短編集4
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第1話
「ああもうすべてがめんどくせえ」
大学の空気を吸いながら煙草を吸うのはJと呼ばれる大学三年生だった。
タバコと酒と仲間との飲み会しか興味がない。
「おい、あそこにいる女だれだよ?」
KはJと同級生だ。
よく数人でつるんでいる。
「バイトめんどくせえー」
Kは煙草の吸殻を投げる。
「今度の合コン誰誘う?」
KはJに問いかける。
「ああーあれね」
Jはなんとなく興味なさげだ。
「もうどうでもいいから俺は早く就職してえよ。だれだよ大学なんか考えたのは」
JもKも本など読まない。勉強などしない。しかし鍛え上げられた肉体と整った顔つきをしていた。
合コン初日。
JとKは後輩Hを連れて都内のレストランで女三人と食事をしていた。
「かんぱーい!」
Hが声をかける。
JとKはとりあえず盛り上げ役に徹する。
女たちはみなおなじような化粧をしていた。
適当に飲んで話したあと夜、彼らは解散した。
バイトでためた金が一様に消えていく。
Kは交換した連絡先を眺めていた。
「先輩彼女いるんじゃないっすか?」
Hは言う。
「まぁね~」
Kは適当に電話していた。
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