ジャパリファイト ~キョウシュウエリア編~

自称自称(自称)

初めての野生解放

「ありがとう」


 黒セルリアンの足が降り下ろされる。


「元気で」


 誰かが見ていたら飲み込まれたと思うだろう。

 しかし━━。


「野生解放」


 かばんの目が光る。

 攻撃を避けて間合いを詰める。


「みゃっ」

 キィィン


「硬い!」


 かばんは攻撃したが少しだけ削れただけだった。


(今はとにかくサーバルちゃんからセルリアンを遠ざけないと)


 セルリアンと船の直線上にサーバルがいるため、船に誘導することが出来なかった。


 の の の の

の の の の

 の の の の


「かばん! サーバル!」


 ボスを船に置いてきたヒグマが戻ってくると、黒セルリアンをサーバルから遠ざけるように誘導しながら戦っているかばんがいた。


「かばん!」

「ヒグマさん! サーバルちゃんを避難させてください!」

「かばんも一緒に避難しろ!」

「ボクは大丈夫ですから! 早くサーバルちゃんを!」

「ダメだ! 野生解放のしすぎで元の動物に戻る!」


「グォァァァァァ」


「かばん! 危ない!」

「!?」


 ドオォォォォォン


「! かばんが…。こうなったらサーバルだけでも連れて、一旦船まで避難するしかない」


 の の の の

の の の の

 の の の の


「かばんちゃん!」


 目を覚ましたサーバルはすぐにかばんの元に向かった。

 そこで見たのは━━。


「ミャッ」

 ドオォォォン

「ミャミャッ」

 キィン

「ミャミャミャッ」

 キキイィン


 黒セルリアンと戦っているかばんがいた。


「かばん!? やられてなかったのか!」

「よかった。セルリアンに食べられてなかったんだ」

「サーバル。かばんを連れて船までいくぞ!」

「うん!」


 サーバルとヒグマがかばんに向かって走る。


「サーバル! お前はかばんを頼む!」

「ヒグマは?」

「黒いセルリアンの注意を引く!」

「わかった!」


 サーバルがかばんに叫ぶ。


「かばんちゃん!」


 しかし


「サー…バル、ちゃん」


 かばんは倒れた。

 野生解放でサンドスターを消費しすぎたのである。

 直後、黒セルリアンの足が降り下ろされる。


 グチャァ


 サーバルの目の前でかばんは飲み込まれた。


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