第11話 巡視員、いつも通りの朝

「おはようございま……」

 す、までテスタロッサが言い終わる前に、マスターは凄い勢いでその目の前を通過していった。

 朝早く、鬼気迫る表情で走っていくマスター。が、こういう場合で緊急通報がないときは大体毎回何事もない。

 恐らく、先のエリカさんの一件に関係があるのだろう……くらいは、予想がついた。

「……うむ、いつも通りだな」

 多分、と心の奥で付け加えて少し見送った後太陽の角度に目をやり、テスタロッサは広場への魔法陣ゲート目指して駆け出した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る