第22話

蛍母「光(ひかる)はすごいわね~」




蛍父「次は蛍も光みたいになれるようにがんばるんだぞ」




蛍「はい…」




光「蛍も次はもっとすごい点数がとれるよ!!」




蛍「うん…」




兄のすること全てが大嫌いだった




でも兄は嫌いじゃなかった




ただ僕は平凡に生まれて




兄である光は天才に生まれた




小さな時から憧れだった兄




でもある時




僕は絶望した

















蛍「トイレ…」




トントントン




蛍母「なんで光は出来て蛍は出来ないんでしょうね」




蛍「え…」




蛍父「確かにそうだな」




蛍父「同じ兄弟なのにな…」




蛍父「まあ2人とも俺らの大切な息子であることはかわりない」




蛍母「そうね」




絶望した




「次はがんばれ」




なんて事を僕に言っておきながら




2人とも僕に期待すらしていなかった




嫌だった




その夜は




泣いて




泣いて




泣いて




泣きまくった




だけどあるときあの事件が起きた




蛍母「いないの!!いないの!!」




蛍母「光がいないの!!」




蛍父「落ち着け!!」




蛍母「ああ光…」




この時僕は思った




ああ




















やっと死んでくれた…




やっと居なくなってくれた…




やっと僕は楽になれるんだ…




その後ずっと母さんは兄さんを




探し続けた




だけど兄さんの持っていた物すら




見つからなかった




そのままどこに行ったかは




僕にもわからない

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