登場人物紹介


しつこく佐夜香の紹介から始まりますが、まぁ主人公という事で……。

今回はですね、滅茶苦茶紹介が長い人物がいます。御覚悟下さい。



芳賀はが 佐夜香さよか


本編の主人公、なんとか事変を解決することができ、葦鹿の里へと帰る。

作中で光丸坊に貰ったとされる下駄はすぐには履かず、肌身離さず持っていたという。ちなみに下駄に付けられていた笛は天狗が飛んでいる時に仲間へ連絡する為の笛らしい。



煙霧えんむもの


 霊媒師道三から出てきた煙の妖怪。この妖怪自体は善でも悪でもなく、生きている者の心を映し出すのだという。その度に姿を自在に変え、この妖怪自体は意思を持たない。なぜ法願寺に現れたかは謎である。


仮説を立てるとすれば


1、誰かが故意に持ち込んだ

だが持ち込んだとすれば誰か? という話になる。


2、法願寺の桜が生み出した

この煙霧の化け物、植物が呼吸の際に吐く霊魂の様な物が原料らしい。法願寺の桜は何百年も生きているのでそれが原因とも考えられる。実は『煙霧の化け物』は妖怪たちの闇市で、普通に手に入ったものだったらしい。扱い辛いらしくそのうち発禁になったようだ。


今回は法願和尚の心を映し、その姿を現した。つまり、この妖怪自体に騒ぎを起こした目的や意図は無かったということになる。



句瑠璃くるり


人間の死体を攫うと言われる火車の化け物。金目当てで煙霧の化け物に掛軸を奪わせようとした。

だが句瑠璃だけで事変を起こしたとは余りに考えにくい、法願寺の内部事情や人間にかなり詳しいからだ。他に協力者がいた可能性が極めて高いが今のところ不明である。

一晩で片腕がくっつく位のしぶとさである。破魔矢で貫かれ死体となった訳だが寺社事変奉行は二原の里にて空の包みを確認する事となろう。



徳次郎とくじら あかね


元々は裕福な家の娘だったが、束縛される日々の生活に飽き、何か知り合いを驚かせるようなことはできないかと考えていた。そんなある日、空を飛んでいる天狗を見つけ術を習おうと思いつく。捕まえて必死に頼み込み、大天狗光丸坊の弟子となった。(どうやって天狗を捕まえたかは茜だけが知っている)

立ち待ち様々な術を覚え天狗となった茜だが、彼女を知っていた者は皆寿命で死んでいたのだった。それからというもの茜は目的を失ってしまい、天狗の戒律自体も結構厳しいので修行をサボりがちとなった。

あくる日そんな茜を見た光丸坊は仕置の為蔵へと閉じ込めてしまった。

だが閉じ込めた蔵の中にあったのは酒桶の山! 試しに飲んでみたところ大変旨い。

後で様子を見に来た光丸坊が倉庫に入ってみると、酒桶が片っ端から空けられていたそうな。

見た目は佐夜香と大して変わらないが二百年生きている。彼女のようなケース(人間から天狗になる場合は僧職が多い)は珍しく、その中でも女性という事であまり同族に仲の良い友はいないらしい。暇があると人間の時から好きだった絵画を嗜む。

写実主義だがその絵には躍動感があり、その点においては妖怪の中で結構定評があったりする。風景画を描かせたところ、絵の中で風が吹き鳥が飛んで見えたらしい。何年も描き続けているうちに妖術と絵画が融合されていったのかもしれない。

茜の絵画好きには光丸坊も「あれも一つの天狗の像なのだろう」と素直に評価している。天狗の試験にも得意の絵を提出したところ評価され、一人前の天狗として合格したのだった。

作中で幽霊の掛軸の贋作を描いた。さくらの頼みを聞いてのことである。贋作を作る際、輪宗寺の住職と交わした約束が

「絶対に贋作を世に出さないこと、用が済んだら必ず焼却すること」

絵描きとしてのプライドがあったのか他意があったのかは謎。

良家の娘だったので読み書きができ、外国人の家庭教師がいたので英語が少し喋れる。人間だった頃はケノ国ではなくどこかの港町に住んでいたようだ。人間だった時のことは面白くなかったらしく話したがらない。

 性格は傲慢で自分より立場の弱い者を見下す傾向にある。同族に友人が少ないのもその為かもしれないが、見下す反面結構面倒見が良いところもある。冷静で頭が切れるが一度頭に血が上ると行動が単純になりがち。これさえなければ大天狗になれるだろうにと師匠の頭の抱えどころだ。

同族以外では風の精霊「春華」と飲み友達。

(作中の声は春華。火事の時遠方から雨雲を呼んだのも春華の助力である)

尚、昔幼かったイロハと一緒に遊んであげたことがあるがイロハ本人は憶えていない。



光丸坊こうまるぼう天元斎てんげんさい


法願寺にやってきた厳顔法師、その正体は大天狗だった。

空を飛ぶ妖怪で随一といえばやはり天狗。その中でも大天狗は数ある種の天狗の取りまとめ役である。具体的には赤い顔に高い鼻、翼の生えた背中に強力な術を使う。ケノ国の民は比較的天狗とは友好的で防火の守り神として神格化し祀っているところもあるのだとか。天狗が人間に温泉を見つけてやったというエピソードもあるなど結構興味深い伝説がある。

天狗と言えば一本歯の下駄を履いているのが有名だが彼は草履を愛用している、その理由は不明。

天狗は情報交換に都のある京の方へと行くこともあるという。修行で比叡山へ行くという話も珍しくない。ケノ国中の情報も彼らの武器であり、組織的集団行動を行いケノ国を守っているのだ。かつて狛狗族とともに人間と協力し、那須野の大妖怪と戦ったとされている。

徳次郎茜の師であり、名付け親でもある。(徳次郎は烏頭目宮の地名の一つ。読み方は『とくじろう』でも間違いではないのだが、こう呼ぶと何故か茜は怒る)

ケノ国でも珍しい女の天狗にしようと育てたのだが、師曰く馬鹿弟子であり悩みの種である。作中で発した「二原の東光坊」という名は二原の山に住むと言われる大天狗でケノ国で一、二番を争う権力の持ち主である。

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