登場人物紹介


深く物語を知りたい方はどうぞ、内容は毎回変わります。

今回登場人数が多めで「中章」「下章」で内容が変わります。

例によって飛ばして頂いても大丈夫です。



葦鹿あしかの里─


芳賀はが 佐夜香さよか


 ケノ国葦鹿藩、芳賀家の当主である陰陽師の少女。幼い時に母、そして数年前に父と他界し、現在は義母や屋敷の者達と住んでいる。実際は義母がほぼ実権を握っており、今回の事変も義母の独断で向かわされた。

 幼い頃から陰陽師として教育されており、生まれながらにして見鬼の才も持ち合わせている。妖を見破る力を持つ上に、義母に忍びとしての教育(半場強要)もされたので、陰陽術、忍術と多彩な能力を持っているかなり強力な使い手。普段は温厚だが一度戦いとなると冷酷かつ冷静だが、周りから人間が離れていってしまうのを恐れ冷酷にはなりきれない。普段敬語で話すのもそういった理由から。

 あまり当主である自覚は無い。義母が実権を握っているせいもあるが、佐夜香自身余り家を継ぐということに興味がない。考えがバラバラになってしまった一族を何とかしなければとは思ってはいるが、義母に対抗できる術がなく、また、自分が「家」というものに縛られることに嫌悪感を持っている。

 そういった精神の不安定な部分が「死」を甘んじようとする考えを生み、時として彼女自身を苦しめる。


小木原おぎはら 義太夫ぎだゆう


 芳賀家に十数年仕える男で、佐夜香の父とは古い馴染み。お互い陰陽師の修行をしていた仲で、佐夜香も幼い頃から知っている。口に出しては言わないが佳枝を良く思っておらず、本当は佐夜香に一族を束ねて欲しいと思っている。

 佐夜香の父が死んでから屋敷を出て行った使用人は多く、こういった彼のような考えの者はひと握りしか芳賀家に残っていない。


芳賀はが 佳枝よしえ


 佐夜香の実母が死んでから芳賀家に嫁いできた女。恐ろしく冷酷で頭も切れる。組織を統率する力には目を見張るものがあり、現在一族全体が彼女に黙ってついてきているのが現状である。

 屋敷の一角にある御堂を「シッポウサマ」のものとして管理し、訪れる者を不治の病から救う代わりに金をとっている。その金は毎日かなりの大金になるらしく、一族の管理費や賄賂にあてているようだ。どういう経緯でこの「シッポウサマ」を呼び込んだのか一切不明であり、佳枝にしかわからない。

 今回の事変、態々遠方から依頼が来たと言うのは真っ赤な嘘。以前から織原の社中には目を付けており、何か手中に納める切っ掛けはないかと睨んでいたところ、今回の事変が起こったのでいち早く名乗りを上げたのだった。計画では織原の社中がお取り潰しになるところに恩を売り、後々乗っ取ろうと計画したのだが……。


鈴音すずね


 佳枝の連れ子で幼い頃から忍として育てられた少女。母の陰謀によって芳賀家の家督を継ぐ予定であったがあえなく失敗。継承の義で暴走した式神に精神を喰われ、廃人同様になってしまう。実母に姥捨て山へ捨てられそうになったところ佐夜香に助けられ、現在は分家の藤原家に預けられている。

 一人っ子だった佐夜香にとって姉ができたのが心底嬉しかったに違いない。今でも暇を見つけては鈴音に会う為に藤原家を訪ねている。



緒原おはらの里─


哲寛てっかん


 法願寺住職の息子、十二年間の修行を終えて実家に戻ってきた。頑固で欲深い父とは違い、物事をゆっくりと見据えしっかり考えるタイプ。何かと気が利くまめなところもある。僧侶を指揮したりと寺の事を殆ど任されている様子。父が余り他所で良く思われていない事を知りつつも、何とかしようと日々考えてはいる。

 作中では佐夜香と仲良くなりつつ、思慕を思わせる場面もあった。物語の中では、珍しく若い男という設定である。



─妖怪討伐に集まった者たち─


道三どうざん


 諸国を回っている霊媒師。偶然織原を通りかかったところ、霊なら自分だと頼み込んで依頼を引き受けた。余談だが『妖鬼討伐演舞祭の章』で登場した三嶋みしま道兼どうけんとは、かつて一緒に修業した兄弟弟子の仲である。


虎丸とらまる


 ケノ国を歩き回っている為、結構知り合いが多い。今回訪ねた先の寺で依頼を断ろうかとしていたのを生活費目当てで引き継いだようだ。それなりに修業は積んでおり、法力の使い手で少なからず見鬼の才がある。

 だが、後の誰でもない。


兼井かねい


 織原の里、法願寺から離れた場所にある円山寺という寺の僧侶。法願寺住職は先代円山寺住職とは顔見知りだったが、兼井のことは全く知らない。 

 作中でも色々と謎の行動が多い人物である。


厳顔げんがん


 年老いた呑んだくれ法師。今回時期はずれの桜が咲いたと聞きやってきた。法願寺ではこんな僧侶は呼んではいない、一体何者なんだ…?


早川はやかわ安念あんねん


 乾坦寺という寺から来た住職とその弟子。どこにでもいそうな僧侶と小僧。

 早川は集まった者の中で、唯一法願和尚の顔なじみだった。



─その他の登場人物─


さくら  


 自分は幽霊で死んだ場所がわかれば成仏できると信じ、旅を続けている女性。

番外編『歌詠み幽霊』で登場した人物で、志乃に旅先の土産である合せ貝を与えた。大変な美人で同じ女には優しいが、極度の男嫌いらしい。


紗実シャミィ


 芳賀家から飛び出してきた黒ずくめの女。改造した南蛮銃を所持しており、追って来た佐夜香を威嚇して立ち去った。どうやら佳枝の雇った者らしいが……?

 

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