姫騎士シロサイ

@zatou_7

くっ・・・お食べなサイ!

 -第99回合戦ごっこ

かばんの提案によりいくつかの種類の対決を行ってきたが結局また合戦ごっこに戻ってしまった、動物だった時の闘争心の現れだろうか?

ヘラジカ陣営は相変わらずの連戦連敗、以前の作戦も通じなくなりいつもの突撃一辺倒なのが原因だろう

99回目の今回も相も変わらずの全軍突撃、あれよあれよやられるヘラジカ軍

気がつけばシロサイだけに・・・

「ああ!もうダメですわ!」

「くっくっく・・・覚悟しろシロサイ」

すっかり腰が引けてふるふると震えるだけのシロサイにオーロックスとオリックスが詰め寄る

「くっ・・・!お食べなサイ!」

「いやいや食べねーよ!そもそも俺ら草食だし!」

「なに言ってんだか、はいお終いだよ」

ポンッ

オリックスに小突かれてシロサイの風船がしぼむ

「ああ!やられてしまいましたわ・・・ヘラジカ様申し訳ありませんですわ・・・」

「全くお前らも芸がないなーそれじゃ勝てないぜ?」

「ううっ・・・悔しいけどその通りですわ・・・」

図星をつかれてすっかり意気消沈してへたり込んでしまうシロサイ

このままではいけないと後日仲間たちに相談した


「と、言うわけでこのままでは何度やっても負けてしまうのは確実ですわ!なにか作戦を立てませんと!」

「とは言っても・・・」

「拙者達には・・・」

「そんないい作戦思いつかないですぅ」

「・・・(頷くハシビロコウ)」

「作戦なんか必要ない!正々堂々突撃あるのみだ!!!」

「ですからヘラジカ様それでは勝てないと何度も証明されたじゃありませんの・・・」

「むうっ・・・じゃあ何かいい案があるのかシロサイ?」

「ここはまたカバンさんに協力を仰いだらどうかと・・・」

「うーん…またカバンに頼ってしまうのもなぁ・・・」

「で、でも…何もいい考えないし仕方ないと思う・・・」

「ハシビロコウの言うとおりですぅ!このままじゃ埒が明かないのですぅ!」

「では拙者がひとっ走りしてカバン殿を呼んでくるでござるよ」

「よろしくお願いしますわカメレオン」

「承知したでござる!」


カメレオンに呼ばれてはるばるへいげんちほーまでやってきたカバンとサーバル

以前も訪れた竹林の舞台の上ではヘラジカが仁王立ちして待ち構えていた

「おお!よく来たなカバン、サーバル!」

「お久しぶりですヘラジカさん」

「きたよー!」

「お二人ともようこそおいでくださいました、早速ですけど・・・」

シロサイは事の経緯を二人に説明した

「はぁ、それでボクになにかいいアイディアがないかと・・・うーん・・・困ったなぁ」

「突撃しなきゃいいんだよ!」

「ダメだ、突撃は・・・かっこいい!」

「ええぇ~それじゃ勝てませんよ!うーん・・・とりあえずちょっと訓練してみるとか・・・長所を伸ばし短所を補えば違ってくるのでは・・・」

「おおっ!それじゃあ指導はカバンに一任しよう、頼んだぞ!」

「ええ!?」

ヘラジカに指導を任されて仕方なく戦闘指導をするカバン

実力をみるためにとりあえず一対一の練習試合をすることにした


「それではまずはシロサイさんどうぞ」

「はい!」

「相手はサーバルちゃんで」

「はーい!」

「前回同様相手の風船を潰した方の勝ちです、ではスタート!」

「うみゃみゃみゃみゃ!えーい!」

ポコン

飛び上がって上空から仕掛けてきたサーバルちゃんの攻撃をシロサイはしっかり受け止めた

「この位ではやられませんことよ!ええい!」

ヒュッヒュッ

「うわあああ!」

ひらりとシロサイの攻撃をかわし逃げ回るサーバル

「サイサイサイサイ!お待ちなサイ!」

「あれ?こんな事前にも・・・」

「ひぃひぃ…ふぅふぅ…ああ!また鎧が重くて・・・ゼェゼェ」

「えいっ」

ポフッ

疲労困憊のシロサイの頭の風船がサーバルに軽く潰された

「ああっ!またですわ!またやられてしまいましたわ・・・一度ならず二度までも・・・私は・・・私は・・・騎士失格ですわ~・・・かくなる上は・・・くっ・・・お食べなサイ!!!」

「食べないよ!!!」

涙ぐみすっかり取り乱してしまったシロサイ

しかしカバンは冷静にシロサイの弱点を見抜いた

「あの~・・・いっそ鎧を脱いだら・・・」

「なにをいって・・・え?鎧って脱げるんですの?」

「はい多分、脱ごうと思えば脱げるかと・・・」

「し、知りませんでしたわそんなの・・・これが脱げる・・・」

おっかなびっくり鎧を脱ぎ始めるシロサイ

脱げると思えばいがいとあっさり鎧は脱げてしまった

生まれてはじめて鎧を脱いだシロサイは身体の軽さに驚いた

「まぁ!なんて身体が軽いのでしょう・・・鎧が脱げるものだなんて知りませんでしたわ~、鎧の下ってこうなってましたのね」

「では身体も軽くなったことですし気を取り直して」

赤いハイレグ一丁になったシロサイが再びサーバルと対峙する

「いきますわよー!」

「負けないよー!」

「始めっ!」

「うみゃー!」

サーバルは素早い速攻攻撃を仕掛けたがシロサイはそれを受け止める

「はっ!ぐぬぬ・・・あふっ・・・ああ!だ、ダメですわ!力が入らない・・・」

「ええ!?」

「私・・・この格好では力も入らないしなんだかスースーしすぎて不安すぎますわ~!ああきっと鎧もなく食べやすくなった私は柔らかいお腹からパクッと食べられてしまうのですわ~ううっ・・・さ、さあ!お、お食べなサイ!」

「だから食べないってば!」

「う~んこれは最初から考え直す必要があるなぁ・・・」


ヘラジカ軍起死回生の案はでるのだろうか?

いま分かるのは、とりあえずシロサイの鎧は脱がないほうがいいだろう・・・

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