わたし的ミステリー小説の書き方

横造正史

第1話ミステリー小説とは

 まずなのですが、ミステリー小説を書くにあたって、ミステリー小説とはどんなものなのかが解っていないとそもそも書けないのではないかと思います。とはいえミステリーやミステリー小説というものは、実は範囲が物凄い広い物になってくるようです。一応ですがミステリー小説というのは、とりあえず謎が存在すればどんな小説でもミステリーになってしまうらしく。歴史ミステリーや世界観が謎になっている物などもミステリー小説になってくるようなのです。



 ●ミステリー小説 → 謎が存在する小説



 そうなってきてしまうと、対象が広すぎて手に負えなくなってきてしまうので、一般的にミステリー小説として認識されている辺りに絞って話をさせていただこうかと思います。


 そんな一般的にミステリー小説として認識されている物に関しても結構多くの種類があるので簡単に挙げさせて頂きます。


 まず、推理小説と探偵小説というものがあります。その違いは確か偵の字が戦争前後に常用漢字から一次外れたか何かで探偵小説→推理小説と呼ばれるようになったと聞いています。なので推理小説は探偵小説とほぼ同義になるようです。しかし近年になって推理はしなくても探偵が主人公の小説を探偵小説と呼ぶようになってきたというのもあります。ややこしいですね。なので現代においては、


 ●推理小説 → 推理する要素のある小説


 ●探偵小説 → 探偵が主役の小説


 として考えても良いのではないかと思います。



 そんな推理小説に関しては、基本的に、作中に発生したなんらかの事件を推理し解き明かす事を主題とする小説。となっているようです。推理出来てこそ推理小説と呼べるというようです。探偵や警察が出てこなくても推理できれば推理小説のようです。日常の謎も推理小説と呼んでいいという事になりますね。


 そして本格ミステリー小説と呼ばれる物に関してなのですが、この本格という文字が付くと、単なる謎があるだけの小説は全て除外され、何かしらの事件なり事象を、推理し解明し、そして論理的な説明の上で解決する小説になるようです。そして本格が付くと、エラリー・クイーンやエドガー・アラン・ポー、アガサ・クリスティーが書いた探偵小説を踏襲した物になってくるようです。一応本格推理小説もほぼこれと同じになると個人的には認識しています。


 事件が起こり、誰が何故、どのようにやったかなどの謎が提示され、それを探偵なり警察が論理的な説明の上で解決する。という流れの小説です。




 それ以外にミステリー小説として認識されている一般的な物も多いので、それらを一応挙げてみたいと思います。


 ●コージーミステリー → 日常の謎など、非殺人事件を題材にした推理小説。


 

 ●警察小説 → 警察官や刑事が事件を解決する小説。主に推理ではなく捜査によって事件を解決する。


 ●到叙ミステリー → 犯人が主役で、刑事なり探偵が、その犯人の起した事件の手掛かりを見付け犯人を追い詰めていくスタイル。刑事コロンボや古畑任三郎シリーズなどがそれに当たる。



 ●バカミス  → 馬鹿な事が書いてあるミステリーという訳ではなく。そんな馬鹿なという回答を設けたミステリーを差す。



 ●イヤミス  → 読んで嫌な気分になるミステリー、殺人描写や不快なシーンなどが印象的なミステリー



 ●新本格ミステリー → これだという形はないようなのですが、個人的には叙述トリックを主体とした推理小説。若しくは不思議な構造の建物の構造を当てるミステリーなのではないかと考えます。


 などなどがあるようです。ただバカミスやイヤミスは飽くまでも表現的で、日常の謎や警察小説にでもバカミスやイヤミスを仕掛けられるので、区分として別けるべきでは無さそうですが、よく耳にするので一応挙げてみました。


 とりあえず、自分が書いている、又は書こうとしている小説が、推理小説なのか、探偵小説なのか、ファンタジーに即するミステリー小説なのか、コージーミステリーなのか、本格ミステリーなのか、本格推理小説なのか、新本格ミステリーに属するのか判断しておいた方が無難なのではないかと思います。

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