三月一日
水辺地方で、かつてジャパリパークで観光客向けに催されていたペンギン・アイドル・プロジェクト(PIP)がフレンズの手で進化していた‥‥。舞台や照明装置は確かに私たちの設置したものだったけど、それが今も使えるレベルにメンテナンスされていた上、私たちがいた頃のとは明らかに違う世代のペンギンたちが歌って踊っていた。フレンズのフレンズによるフレンズのための舞台。人間によって芸として仕込まれたパフォーマンスより健全に思えてくるのは、私がフレンズに過剰に感情移入してるからなのかしら。
現場を仕切っているマーゲイが私たちをやはり「かばん」と間違えて舞台裏に引き入れてくれたものだから、ペンギンたちの話を聞くこともできた。人間がパークを退去してから長らくペンギンのパフォーマンスも絶えていたものの、ロイヤルペンギンが仲間を集めて再結成させたらしい。コノハ博士の協力もあったけれど、図書館に残されていた記録からパフォーマンスを復元したんだって。あの子は文字が読めるのね! それにしてもこんな裏話を聞くと、五人の歌と踊りには、まるで途絶えていた祭祀を復活させたかのような厳かさすら感じる。
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