第10話動く感情

ある日、野茂安の仕事が定時に終わって帰る時交差点で歩道を中年の男に手を捕まれて歩いているレイを見た。


気がついた時には、知らない人間を殴っていた。


レイが必死で野茂安を止めていた。


野茂安にボコボコにしていたのは小学校の校長だった。


パトカーを見送るとレイが野茂安に抱きついてきた。


震えていた。


「大丈夫。レイには俺がいる。」


「わ、わたしには野茂安がいてくれる。」


レイは、泣いていた。


いつも感情を爆発させる事の無いレイが泣いている。怖かったんだな。


優しく野茂安は、レイを抱きしめた。


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