第9話嫉妬

アパートの扉を開けると包丁を持ったレイが立っていた。


「ふえ!」


「また、安藤理沙?」


「あぁ…。料理中?」


「うん、野菜切ってた。」


修羅場は、困る。


「ふーん。」


事情を話すとレイは何も言わなかった。


不思議だな、いつもならそんな女やめておきなぐらい言うのに…。


今晩は、カレーライスだった。


もう少しで中学生になるレイはまた大人っぽくなってきた。


夜中、野茂安のベッドにレイが入って来た。


「ねぇ、わたしだけ側にいれば満足じゃないの?」


「満足だけど…レイも好きな人が出来たり勉強したりで忙しくなるよ。ずっと側には入られなくなると思う。」


「安藤理沙が側にいてくれたら満足?」


「それは、無いかな。一度は別れたし。」


レイは、いつの間にか眠っていた。


野茂安は、レイの寝顔を見てホッとした。




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