恋の神様

転ぶ

第1話神様登場

1LDKの部屋に野球ゲームの音が充満している。


野茂安28歳は、無表情で画面を見つめていた。


画面から貞子?ではなく初老の男が出て来た。


「普通、驚くやろ!」


野茂安は、無視してゲームを再開した。


「お前、欲しいものあるか?」


「つるぺったん少女。」


「分かった。」


初老のじいさんは消えた。


夢かと思っていると背中に何か飛び付いて来た。


「野茂安兄ちゃん、喉渇いた。」


「冷蔵庫にあるよ。勝手に飲んで良いから。」


さすがの野茂安も動揺した。


振り返ると確かに少女が冷蔵庫を覗き込んでいる。


さらに動揺したが冷静を保った。


「コーラばっかり!」


声を上げて少女は笑っている。


「ばあちゃんが、炭酸大好きで毎日持ってくるんだよ。」


野茂安は、一階に住んでる祖母が経営しているアパートに住んでいた。


口は悪いが根は優しい人なのだ。


「ねぇ、プール連れてってよ!」 


「は?」 


「冗談。でもこの部屋は掃除させてもらうよ。」


小さな体が躍動してどんどん部屋が綺麗になってきた。


いつぶりだろう?掃除なんて…。


「野茂安兄ちゃん、元気だして!これからは毎日わたしが一緒にいるから。」


野茂安の手を握って少女はあどけない表情をして言った。






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