第72話 ほろ と ほの
今回のきっかけはコマーシャルだった。見終わった後に「ほろ酔い」の「ほろ」って何だろうというフレーズが記憶の襞に刺のように残っていた。アメリカの西部劇に出てくる幌馬車の「幌」とは関係が無いのだろうか。しかし、どちらも上に被せるものだろうし、イメージ的に似てくる気がするのだがー。
「ほろ」の意味は何かというと、名詞や形容詞に接頭語的につけて「ほんの少し」「何となく」という意味を表す。口に入れる言葉が多いという訳ではないだろうが「ほろ苦い」「ほろ甘い」などの単語が浮かぶ。「ほろほろ」という副詞もあるがこれは「ぽろぽろ」「ぼろぼろ」の音便化か、それともどれかが語源となるか。
似たような意味、音で「ほの」という言葉もある。こちらはその状態を示す。「ほの暗い」「ほの白い」「ほのめかす」など、かすかに感じる、そんな感じがする、という意味合いで付ける形容詞的接頭語だろうか。漢字変換だと「仄か」と出てくる。こちらは形容動詞的。多分副詞の「ほのぼの」も同じ語源ではないだろうか。
そう言えば「ぼのぼの」というタイトルのいがらしみきおのヒット作品もあった。しかしこちらはアフリカのどこかの言葉で「のんびりいこう」という意味だったか。ほんの少し、の「ほんの」も「ほの」の音便変化だろうが、「ほんに大きゅうなって」の「ほんに」は「本当に」の音便変化。ふむ。ほのめくものだけに、なかなか実体を見せてくれないのも道理か。
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