いめちぇん
しょん@朧月夜
第1話 おけしょう
どうも、かばんです。
——ある日、サーバルちゃんと休んでいたら、ハシビロコウちゃんが深刻そうな顔でぼくたちのところへやってきました。
「あの、ひさしぶり。かばんさん、サーバルさん」
「ひさしぶり、ハシビロちゃん!どうしたの、なんか悩んでることあるの?」
サーバルちゃんは会うなり、単刀直入に聞きました。
「実は…」
ハシビロコウちゃんは質問に対しておそるおそる答えました。
「みんなに、よく怖いって言われてて…。かわいいって言われたい…」
「「えー!!!」」
おもわず声を合わせて驚いてしまいました。
「大丈夫!かばんちゃんに任せてよ!」
早速、サーバルちゃんが引き受けちゃいました。まあ、フレンズの悩み事・頼み事とあれば、聞かないわけにはいきませんから、どのみちやるしかないですね!
「んー、前髪あげてみたら雰囲気変わるかも」
「こう?あら、かわいい…!」
「かわいい…?」
ハシビロコウちゃん、サーバルちゃんからの突然の誉め言葉に照れちゃってます!
あ、ここでいい案が思いつきました!
「そうだ!お化粧をしてみよう!」
「おけしょう?」
「そう!顔に色をつけて、もっと可愛くするの!」
「へえー、やろう!やろう!私にできることはない?」
「じゃあ早速、サーバルちゃん。ピンク色、赤色、紫色のお花をいくつか摘んできてもらっていい?」
「まっかせて!」
サーバルちゃんは自分の胸を叩くと同時に飛び出していきました。
サーバルちゃんがお花を摘んでいる間に、木を組み立てて髪留めを作りました。それができる頃に、ちょうどサーバルちゃんがお花を両手に抱えて帰ってきました。
「かばんちゃん、これで大丈夫?」
「うん、ありがとう!サーバルちゃん」
まずは、その花びらを色ごとにわけて平たい石の上にのせます。それを棒状の石で潰して、潰したものに水をちょっとだけだすと——。
「うわー!水に色がついた?!」
サーバルちゃんはびっくりして飛び跳ね、ヘラジカさんも目を丸くしてます。
「じゃあ早速、お化粧はじめますね!」
ハシビロコウちゃんの頬っぺたにピンク色の水を指で薄く塗ってあげます。ハシビロコウちゃんは冷たかったのか思わず、片目をつぶってしまいました。その表情が何とも言えず可愛かったです。
続いて、赤い水を唇に…。なんか、すごい大人っぽいです。
最後に、さっき作った髪留めに残りのお花を飾り付けて、かんせーい!
「うわー!きみ、だれー!」
「は、ハシビロコウですけど…?」
見違えるようになったハシビロコウちゃんにサーバルちゃんは思わず驚嘆の声を上げました。
「とりあえず、近くの池で見てみてよ!」
サーバルちゃんが池にハシビロコウちゃんを連れていくと…。
「…これがわたし?
すごく、可愛い…。ありがとう…。」
「よかった、気に入ってくれて」
そっと、胸をなでおろしました。
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