一日前の流星群
昨夜が流星群のピークだったと
朝のニュースが告げていた
思わず画面にくぎ付けにされるワタシ
画面にはマイクに応える小さな子供
憂鬱な気持ちで一日を過ごした後
自転車に乗って夜の闇へと漕ぎだした
街の明かりから逃げるように
悲鳴を上げる車輪の音だけを友として
空を見上げながら漕ぎ無様に転ぶ
立ち上がりまた性懲りもなく空を見る
いつしか周囲には田畑が広がっていた
雲もなく月もない理想的なシチュエーション
けれどなかなか星空は泣かない
既に地球は塵にまみれていないらしい
見上げる理由が流れ星に会うためなのか
泣かないためなのかわからなくなってきた
東の空に朝の兆しが表れた
止めろ帰れとワタシは呪う
地球は自分のものだと言いたげな恒星を
ワタシは見たいわけではない
大気に焼かれ消え失せる
微かな塵クズの最期を見届けたいのだ
こんなワタシを憐れむように
幻のような傷跡が一瞬空に走った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます