第26話2人の愛は? その1

サクラは両腕を立てて顔を近づける。


「それでさ、ワタル君。パンツ見して!」

「はぁ?な、何を言って……」

「いいから早く脱いで!」


サクラに強引にズボンを引っ張られ、危うく転びそうになる

脱げ落ちそうになったズボンを必死に引き上げる。


「おいコノミ‼︎ちょっといっしょに来い」


ノブに手を置き、コノミを呼ぶ。

廊下の突き当たりまで歩くと、部屋からルピも付いてきた。


「あのサクラとかいうやつ誰だよ!急に抱き締めるしズボン降ろそうとするし、一体何が目的なんだよ!」

「そうっすよ。胸ぐら掴まれたと思ったら離されて頭打つし、なんかよくわからん間に家族になってたり。なんなんすか?情緒不安定な人なんすか?」


俺とルピの質問責めにに、冷静に答える


「昔っからああなの。すっごい極端でテンションは常にMAX。絵に描いたような弟好きでいっつもおにーちゃんにちょっかい出してたな〜。でも、根は真面目でいい人だから」


コノミが説明し終わる前に部屋からミサの悲鳴が聞こえた。

急いで部屋に戻ると、ミサが下着姿でサクラに押し倒されている。


「ワ、ワタル?ちょっと見ないでよ!み、見るなぁっ!」


ミサは恥ずかしさを隠しきれずに顔を真っ赤にしながら叫ぶ


「何やってんのおねーちゃん!ダメだよ。それ以上やったら犯罪者になっちゃうよ!」


コノミの仲裁により、サクラの興奮はすんなり止んだ。


「で?おねーちゃんはミサにどうしてあんなことしたの?」

「ミサちゃんがコノミよりもワタルのこと知ってるって行ったから……」


そこでミサが横から口を挟む


「サクラさん、私そんなこと言ってないですよ〜……」


と、うなだれるミサの目が鋭くこちらを睨みつけた。


「何あんた、もしかして妄想してんの?キモいキモい!今すぐ脳みそを頭から取り出しなさい!」

「は?なんで俺に飛び火すんの?ひどくね?」


サクラの手を叩く音で俺とミサの会話が途切れる。


「そうよ。公平にワタル君のクイズで決めましょうよ。見せてやりなさい!妹の妹による兄のための愛情を!」

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