ジャパリレストランにようこそ!

@zatou_7

いらいっしゃいませ!

「ふわぁ~・・・ヒマだゆぉ~」

アルパカは誰も居ないカフェのカウンターで大きなあくびをしていた

カバンのおかげで時々お客さんが来るようになったもののまだまだ客足はすくなく暇なことが多い

「お客さんこないかなぁ~」

今日何度目か分からない同じぼやきがでたときだった

ガチャッ チリンチリン

「アルパカ、来たのですよ」

「来たのです」

「ふわあああああ~!ハカセ!助手!いらっしゃぁい!待ってたゆぉ!何飲むぅ?」

「違うのです、紅茶をひっかけに来たのではないのです」

「なんだぁ・・・お客さんじゃないのかぁ・・・ピェッ!」ビチャッ

「お客さん来てほしいですか?」

「来てほしいゆぉ~!」

「いいアイディアがあるのですよ、助手、説明を」

「はい、このカフェでレストランをやるのです、毎日は難しいでしょうから時々オープンするのですよ」

「レストラン!?なにそれ面白そうだゆぉ!」

「レストランというのはお客さんに料理や飲み物を提供するところなのです、スタッフと宣伝と材料は我々が手配するのでアルパカは連絡を待つのです」

「わかったゆぉ!ハカセ、助手ありがとう!」

「では我々は忙しいので」

「忙しいので」

ガチャッ チリンチリン

「ハカセ、やりましたね」

「これで定期的に料理が食べられるのです、さあ準備に取り掛かりましょうか」


~数日後~

ハカセの号令でレストラン運営のためのスタッフとなるフレンズがアルパカのカフェ集められた

「と、いうわけでお前たちにはこれからレストランで働いてもらうのです、助手説明を」

「はい、ヒグマ、カバン、お前たちは火が使えるので調理担当なのです」

「ええぇ!?うーんまいったなー火加減ってやつ難しいんだよなぁ」

「ヒグマさんがんばりましょう!」

「次、ジャガー、アリクイ、リカオン、あとオマケのサーバルお前たちは配膳や注文を聞く係なのです、そしてリカオンお前がこのチームのリーダーなのです」

「おまけってひどいよー!」

「なんで呼ばれたのかも何をしたらいいのかも全然わからん・・・!」

「なんであたしなんだよぅ・・・訳がわからないよぅ」

「ええぇ!?私がリーダー・・・そんなぁ、オーダーキツいですよ!」

「最後に、マーゲイ、お前はフロアマネージャー、つまり案内したり要望を聴いたりする能動的に動く係です、アルパカはいつもの様にお茶を入れてばいいのです」

「はーい!分かったゆぉ!」

「マネージャーなら仕方ないわね…私の仕事だわ」

「もう少ししたら客が来るハズなのです、それでは準備スタートなのです」

「「「「「おーっ!」」」」」


ハカセの合図で各々が持ち場についていく

小一時間ほどすると近場のフレンズがちらほらとレストランに来店した

「いらっしゃいませ!ジャパリレストランへようこそ!お席はこちらでーす、ジャガー注文とって!」

マーゲイのとても初めてとは思えない働きぶりは

普段ペパプのマネージャーをしてるマーゲイならではの手際の良さだ

「いらっしゃい、なんにする?え?何があるかって?そう言えば聞いてなかったな・・・わからん、おーいリカオン!」

「どうかしました?」

「レストランってなにがあるの?」

「お茶と料理ですよ、今日の料理は…シチューとかいうらしいです」

「ありがと、助かったよ」

「どういたしまして、アリクイさんお茶もっていってください」

「わかったよぅ」

トレーにお茶をのせテーブルに向かうアリクイ

手が小刻みにふるえてカップがカチャカチャ鳴っていた

「こぼさないように・・・落とさないように・・・」

「うみゃみゃみゃみゃみゃ!」

「ぎゃっ!」ガシャーン

皿を持って走り回っていたサーバルに驚いて思わず腕を振り上げて威嚇してしまいトレーを落としてしまうアリクイ

「うわっ!だいじょーぶ?」

「なんだよぅ・・・もぅ・・・びっくりしたよぅ・・・なんであたしがこんな事~」

(それはお前がウエイトレスというやつに格好が似てるからなのですよ)

紅茶と料理を堪能していたハカセは衝撃の事実を心のなかでつぶやいた


「お客さんいっぱいでうれしいゆぉ~、紅茶こんなに作ったの久しぶりだゆぉ・・・どーぞ、はいどーぞ」

「リカオンさん席空きましたかー?」

「まだです!あ、ジャガーさんそれはあっちに持っていって、アリクイさん席空いたら片付けを・・・あ、注文ですか?料理3つとお茶が3つ・・・え?そっちは追加?ちょ、ちょっとオーダーまって・・・」

店内は満席で外までフレンズで溢れていた

てんてこ舞いになりながらもなんとかうまく切り盛りできていた


「かばんちゃん料理できたー?」

「うん、もう少しだよー」

「こっちの鍋はいいんじゃないかかばん?」

「そうですね、サーバルちゃんこれもっていっていいよ」

「うん!・・・パクッ」

「あ!サーバルちゃんダメだよつまみ食いしちゃ」

「えへへ、バレちゃった」

「なにやってんだ全く・・・ほらほら早く持っていけ、ふぅ・・・火加減ってのはほんと難しいな」

「ヒグマさんももう立派に火を使いこなしてると思いますよ」

「そうかな?」

すすで顔を黒くしながら薪をくべて火を焚くヒグマはすっかり火を制していた


「ふぅ・・・満腹満足なのです」

「堪能しましたねハカセ」

「堪能したのです助手」

「食事の後のお茶は格別なのです、我々はグルメなのでわかってるのです」

「流石ですねハカセ」

「また時々開催するのです、準備に少々手間がかかりますが・・・」

「チョイチョイなのです」


満足げに膨れたお腹を撫で下ろすハカセと助手

頭のなかでは次回開催の計画を既に進めていたのだった。

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