どうやら兄がリア充を目指すようです。
あい@暇人の極み
第1話
私には兄がいる。
まぁ、かっこいい訳でもなく。
友達も多い方ではないだろう。
毎日ゲーム三昧。
そりゃ悲しいぐらいモテないだろう。
当たり前だ。
私も…と言うか皆そんなクソは嫌だろう。
そんなクソがついに頭を壊したらしい…
―――――――――――――――――
「妹よ、どうやったらリア充になれる?」
兄がいきなり突拍子もないことを言い始めたので
「は?」
質問に質問で聞き返してしまった。
ついに暑さで頭がいかれたのだろうか?
「兄さん、リア充になるよ☆」
あっ、ダメだこいつ。
かなり頭がやられてる。
どんなにいい医者でも、このカスはお手上げだろう。
「急に何?」
また何かの漫画にでも影響されたのだろうか?
「実は兄さん、彼女が欲しいんだ」
「どうやったら出来ると思う?」
兄が、真剣な顔で相談してきたのでかなり引いた。
「…来世に期待しな」
もう手遅れだ。どうしたって彼女など出来るはずが無い。
「お前…」
こっちは真剣に相談してるのに…という顔で見られている。
こいつはすぐに顔に出るんだよな。
「なに?好きな人でもできたの?」
呆れた顔で言う。
「そうだよ!できたよ!お前はリア充っぽいしなんかアドバイスしてくれよー!」
きっと初対面の人とこいつが喋ったら、こいつはバカなんだなと思われるだろう。
会話をしていて分かる。
「何で私がアドバイスなんてしなきゃいけないの?」
そうゆうのは友達にでも相談してくれ。
あっ、そうゆう友達が居ないのか…
「お前一応人気アイドルだろ」
一応とは何だ、とツッコミを入れたくなったが我慢しよう。
スカウトされて事務所に入り、アイドルを始めたが、意外と人気が出てしまった。別に自慢じゃないよ。
「ていうか、そんなに言うんだったら告れば良いじゃん」
それができたら苦労しないよ、という目で私を見てくる。
そうだった。
こいつにはもう一つ。
決定的な弱点があったんだ。
「このチキンが…」
どうやら兄がリア充を目指すようです。 あい@暇人の極み @mugikawaii
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