11~12の間

がじる

つうしん ~じゃぱりとしょかん~

ハカセとじょしゅは困惑した。

図書館の外からおかしな音が聞こえたので見に行くと

ラッキー・ビーストが鳴いていたからだ。


「なんですか、これは」

「なんなのです、これは」


ふたりは首を傾げ、ラッキー・ビーストを覗き込む。


「この前とは様子がちがうです」

「なにか光っているのです」


すると、ラッキー・ビーストがこちらを向いて話し始める。


「チョウオオガタ セルリアン シュツゲン──

 ヒノデコウ フキン ニテ ドウハンチュウ ノ コタイ ヨリ キンキュウジニオケル ゲンテイテキナ

 フレンズ ヘ ノ カンショウシンセイ アリ──

 ヒノデコウフキン ニテ イチブ フレンズ ト サクセンコウドウ チュウ──

 キケン チイキ ノ タメ フキン ノ フレンズ ハ チカヅカナ──


『──キョウセイハッシン

 カバン サーバル リョウメイノ セイメイキキハッセイ

 フレンズ ヘ キョウリョクヨウセイ


 カバン サーバル リョウメイノ セイメイキキハッセイ

 フレンズ ヘ キョウリョクヨウセ──』


「フレンズ ヘノ カドナ カンショウコウイ ト ミナシ セツゾク ヲ カイジョ」


「ヒノデコウフキン ニテ イチブ フレンズ ト サクセンコウドウ チュウ」

「キケン チイキ ノ タメ フキン ノ フレンズ ハ チカヅカナイデクダサイ」



「……聞きましたか、じょしゅ」

「……聞きましたよ、ハカセ」


ハカセとじょしゅは顔を見合わせ、同時に頷く。


「おかわり……いえ、島の危機なのです」

「おかわ……島の危機なのです」


ふたりは頭の翼を羽ばたかせ、静かに飛び立つ。


「ラッキー・ビーストらはパーク内の管理及びじゃぱりまんの供給を行っているため、施設やフレンズ達の行動範囲内に居ると考えられているのです」

「各地のラッキー・ビーストらも同時に鳴いている可能性が高いのですね。

聞いたフレンズの一部が動き始めている可能性がある、と」


「二手に分かれるのです。じょしゅはへいげんちほーからお願いするのです」

「ハカセはみずべちほーからというわけですね」

「途中、協力してくれそうなフレンズが居た場合には、勝手に行動しないように誘導をするのです」

「この島の長として……ですね、はかせ」


二本の軌跡が夜空に散った。

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