ヒグマさんだって甘えたい

@zatou_7

たまには私だって・・・

「でやァァァァァァ!!!!」

パッカァァァァァン!!!

「ふぅ・・・」

「これで最後かしら?」

「いやー、キツかったですねぇ・・・」


セルリアンハンター、パークに出現する通常のフレンズでは対処できない強力なセルリアンを狩る専門家である

今日もフレンズからの通報を受け、ヒグマ、キンシコウ、リカオンの3人は出動しセルリアンを撃退することに成功した。


「じゃあ私は少しパトロールしてから帰りますんでヒグマさん達は先に帰ってもらっていいですよ」

「そうかスマンなリカオン」

「じゃあお先に失礼するわね」


リカオンと別れ帰路につくヒグマとキンシコウ

連日の出動で疲労していた二人の足取りは重かった


「やれやれ、仕事とはいえこう何日も続くと辛いな・・・」

「お疲れ様です」

「お前もな、頼られる事は嫌じゃないしみんなを守るのは私の義務だ、だが私だってたまには・・・」

疲れもあってか愚痴っぽくなってしまいついヒグマは願望がポロッと飛び出してしまった

「ヒグマさん?」

「あ、いや、なんでもない・・・」

言葉を濁し顔を赤らめてそっぽを向いたヒグマにキンシコウは優しく語りかける

「ヒグマさんだってたまには甘えてもいいじゃないですか?」

「な、何を言ってるんだキンシコウ!私はそんなつもりは・・・」

「だってヒグマさんいつもみんなに頼られて、自分がすがることってないでしょ?だからヒグマさんだってたまにはいいんじゃないかなって、だから私でよければ・・・」

「ば、バカなこと言ってないで早くこい!」

顔を真赤にしてズンズンと先に進んでいくヒグマ

程なくしてヒグマ達の縄張りに到着した


「はい、ヒグマさんジャパリまんですよ」

「ん、ありがとう」

ヒグマがジャパリまんをパクついてるとキンシコウが心配そうな目でヒグマを見つめていた

「な、なんだよ」

「私ってハンターだけどいつもヒグマさんとリカオンさんに助けてもらって・・・この前も気絶しちゃってヒグマさんに結局頼り切りで・・・だからヒグマさんにお礼がしたいんです」

「べ、別にいいよそんなの、仲間だから当たり前だろ」

「でもヒグマさんいつもパークのフレンズから頼られてばかりで、私まで頼ってしまってるし、ヒグマさんだってたまには逆の立場になってもって、二人きりの今なら・・・私に甘えてもらってもいいんですよ?二人だけの秘密ですから」

「キンシコウ・・・い、いや私は・・・」

「ヒグマさん、いいんですよ」

キンシコウは腕を広げて微笑んだ

「・・・キンシコウ・・・」

ヒグマはキンシコウの胸にすがった

暖かく柔らかなキンシコウの腕の中、ヒグマはキンシコウの胸に顔を埋める

「いつもご苦労様・・・ヒグマさん・・・いまはいっぱい甘えてくださいね・・・」

「・・・うん」

ヒグマの頭を優しくキンシコウは撫でる、キンシコウの顔は慈愛に満ちていた

「・・・キンシコウ」

「なんですかヒグマさん?」

「その・・・もっとギュッとして欲しい・・・」

顔を赤らめ恥ずかしそうにリクエストを出すヒグマにキンシコウは微笑む

「こうですか?」

ギュッ

「ふふっ、いいこいいこ・・・」

キンシコウに包まれたヒグマの顔はいつもの鋭い顔つきからは想像もつかないほどとろけて幸せそうな顔をしていた

「あのさ・・・またこうやってもらっていいかな?」

「ええ、もちろんですよ」

「ありがとうキンシコウ・・・」


その時、幸せな時を過ごすヒグマとキンシコウを物陰から覗く者がいた

(あっー!二人で一体何を・・・うわぁ・・ヒグマさんいいなぁ・・・私もキンシコウさんにオーダーしたいなぁ・・・いいいなぁ)

パトロールから帰ってきたリカオンが羨ましそうに遠くから二人を眺めていた。

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