楽園47 熱き魂と信念
カトレアが回復し、元の日常を取り戻した。
それと同時に畑に蒔いた麦やお米も育ち、小麦粉やお米を作る事が出来た。砂糖や蜂蜜を使い簡単なスイーツを作ることが出来るようになった。さらには、海水をろ過してそれを煮込んで塩を作り、海藻を干してのりやわかめを作った。それでわかめご飯やおにぎりを作った。他にも米麹を作り甘酒やお酢、さらには魚や貝で寿司をつくったり、和菓子の金つばを作った。
「ああ、お父さんが買って来てくれていたあの味だわ」
麗子がほんのり涙がこみ上げた。
父が京都や浅草の老舗で買ってきてくれたあの味だと少し懐かしくなる。
だけど、物足りない。
「キャベツ食べたい」
「トマト、なす、きゅうり、お塩を漬けたら美味しいかな」
「かぼちゃや人参があればスイーツ作れる」
「芋が食いて、さつま芋にじゃがいもなんでもいい、焼き芋にポテサラ、ポテトチップスにスイートポテト、芋ようかん」
「白菜やちんげさいで鍋」
そお、森にあるのは野いちごや葡萄、バナナやパイナップル、りんごなどはあるが野菜は無かった。
栄養を考えると何か野菜があればと考えた。
「ねぇ、私のベッドの下に何かあるよ」
はるみが寝室掃除中にベッドが動いたが、壊れたのかと思いきやそこには収納棚があり、中には、
「野菜の種だ」
人参に、ピーマン、玉ねぎ、じゃがいも、キャベツ、トマト、きゅうり、かぼちゃ、さつま芋、すだちなどたくさんの野菜の種が入っていた。
野菜だけではない、果物、柿やリンゴ、シャインマスカット、メロン、イチゴ、梨、栗まであった。しかも、丁寧に説明書まで入っていた。
隣の棚には、朝顔や薔薇、向日葵、さらには熱帯の珍しい花の種が入っていた。
「野菜も果物も作れるようになった。花壇も作れる」
「花輪や生け花も出来るわ」
新しいアイテムが見つかり、早速準備する。
田端さんのお墓から少し離れた場所に空き地のような土地があるので、そこを耕すことにした。
しかし、鍬みたいな道具は作れないので、海岸の岩場の岩で平なものを探して、のみやげんのうで削り枝に括り付けて、石斧ならぬ石鍬が出来た。翔と博樹が除草して、拓斗が耕して、はるみたちは種を撒く、そこからみんなで交代にバケツや桶に小川から水を汲み満面なくあげると地面が輝き、種たちが歓喜しているように見える。
「もっとたくさん、作りたいな」
「うん」
「野菜市場が出来るくらいな」
「蜂蜜以外のジャムを作ろうぜ、リンゴにみかん、いちごと」
野菜や果物、穀物、王国がどんどん発展していく。楽しみだ。
六人の熱き魂と信念はどんどん現実になっていく。
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