第10話 心拍の確認。

二回目の検診を終えた。妻が診察室に入る際に私も一緒に入ろうとしたら、看護師が困った表情で、ご遠慮くださいとジェスチャーしてきた。産婦人科とは男人禁制らしい。

診察直前に妻がリンゴジュースが飲みたいと言うので、妻が診察されている間に売店で買った。私はカフェオレを買った。ちなみにこのカフェオレは甘味料を使っており、甘味料嫌いの私は一口飲んだ瞬間に、失敗したと思った。甘味料というのはどうしてこんなに美味しくないのだろうか。カロリーオフや糖分カットなんて書いてある飲み物はたいてい甘味料が使われていて美味しくないので、極力表記を確認して買わないようにしているが、今日は油断していた。

診察から戻ってきた妻にリンゴジュースを渡し、診察内容を聞いた。お腹の子どもの心臓が動いているのが確認できたらしい。それを聞いて不思議な気分がした。いまこの瞬間、妻のお腹の中にもう一人いるんだと思った。泣きそうになった。

補助券を使用し、支払金額は2000円ほどだった。

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