お菓子を作ろう

 小5の時だった。

 姉がお菓子を作っていた。

「もうすぐバレンタインデーだからね」


 ケーキを作っているときもあった。

「明日はおばあちゃんの誕生日なんだって。みどりもお祝い、一緒にいこうね」

 この時、私はお手紙を書いた。


 小6のバレンタインデー。

 女の子同士のお菓子交換。その中に1つだけ手作りがあって、それが1番美味しい気がした。


 1か月後、ホワイトデー。

 また、お菓子交換。今度はクッキー。

 それは、前日に姉と一緒に作ったもの。

 とても好評で、私はお菓子作りが好きになった。

 もっと皆に食べてほしい、今度は一人で作ってこよう、と思った。


 中1のバレンタインデー。チョコを手作りしようとしたら、失敗した。結局、市販のチョコを配った。

 そしてホワイトデー。姉に、レシピを借りた。

 初めて一人で作るから、レシピ通りに作るんだ。


 バターを100g。

 柔らかくなるように、ラップをして置いておく。


 薄力粉が200gに、砂糖が80g。卵黄が1個に牛乳は大さじ2杯。あと、バニラエッセンスも少々?


『薄力粉はふるっておきます』

 姉から借りた道具で薄力粉をふるう。


 かしゃ かしゃ かしゃ かしゃ かしゃ……


 思ったよりも200gは多くて、時間がかかってしまったし、少し疲れた。


 姉が、「卵黄と牛乳とバニラエッセンスは同時にいれるから、先に混ぜておくといいかもね」と言っていたから、小さいカップに入れて先に混ぜる。

 バニラエッセンスの甘い香りが漂いはじめた。

 キレイなひよこ色。


 柔らかくなったバター。

 砂糖を入れて混ぜる。

『白っぽくなるまで混ぜ、卵黄・牛乳・バニラエッセンスを加えて混ぜます』


 白くなってきたから、ひよこ色の液体を加えるとまた色が変わった。


『薄力粉を加えて軽く混ぜ合わせ、ひとまとまりにしてラップに包み、冷蔵庫で30分ねかせます』

 薄力粉を入れて、混ぜ合わせる。


 どうにかひとまとまりになって、とりあえず2つにわけて冷蔵庫でねかせる。待っている間に、道具を片付けた。

 片付いて、次はこれから使う延べ棒なんかを用意する。

 いつの間にか30分経っていた。


 のばして型を抜いて

 残った生地をいったんまとめる。

 生地がぬるくなってきたら冷蔵庫に入れて、もうひとつの生地を出す。

 のばして型を抜いて

 残った生地をいったんまとめて。

 のばして型を抜いて

 残った生地をまた まとめて。


 電子レンジのオーブン機能でクッキーを焼き上げる。

 180度に余熱して……

 あとは焼き色をみながら微調整。

 さすがにこれは、姉に一緒にみてもらった。

 時間は一概いちがいにはいえない、と言われた。


 170度~180度で焼く。

 最後の仕上げにもう少し焼き色をつけようと、190度で焼くこともあった。


 そうして完成したクッキー。

 姉は美味しくできてる、と言ってくれた。

 翌日、チョコをくれたみんなに配る。

 食べた人たちはみんな、笑顔になった。

「また作ってね」

 その言葉は、とても嬉しかった。


 それから、何かイベントがあると、クッキーを作るようになった。

 二色クッキーにも挑戦したけれど、形成が難しかった。

 薄力粉を160gにして、40gココアを入れる。

 それ以外ほとんど変わらないのに生地の感覚が少し違うのだ。


 中学三年間、私は必ず年に1度以上クッキーを作った。



 高校生になり、寮に入った。

 そこで、チョコを使ったお菓子の作り方を友人や先輩に教えてもらった。

 トリュフや、生チョコ。

 皆で作るのは、とても楽しかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る