メンヘラ女が吐き捨てたコトバ、または詩のようなナニか

速水大河

どん底から

どん底からは、何も見えない

どん底からは、何も見えない


どん底は、あまりに暗く、あまりに冷たい

どん底は、あまりに深く、あまりに大きい


どん底はひとりにひとつ


他の奴らが何考えてるのかなんてわからねえよ

自分のことすらわかってねえのに、

他人のことだなんてわかるはずがねぇんだ


俺だって最初からどん底にいたわけじゃないんだ


気づいたら自分で深く穴掘っていて

もう這い上がれないようなところにいたんだ


空のことは知っている

上を通りかかる奴らがいるんだ

ああ楽しそうで、幸せそうさ


てめぇの足元にでっかい穴が開いてることも知らねぇでさ


覗きに来る奴らもいるんだ

穴の縁からちょいと顔出して

ひどく醜い顔をして笑いながら去っていきやがる


てめぇがいつ足踏み外すとも知らねぇでさ


おい、どん底からの声は、届いてるだろか

どん底からの叫びは、てめぇらの耳に響いてるだろか

仲間がほしくて、道連れしたくって、だから大きな声で叫ぶんだ


「てめぇらみんな、どん底落ちて死んじまえ」


「だけど本当に死ぬ前に、一度は俺のどん底見に来いよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る