第2話

生まれも育ちも大阪一筋の私は、

普通の家庭でフツ~に育ち、

自分で言うのも変だけど母譲りのお蔭様で普通よりちょっと垢抜けてる高校生に成長した。

優しい父と自由奔放な母から

“花緒里”という名前をもらった。

古風で和な感じ?シブイでしょ?

私はこの名前が大好き。


伸ばした長い髪をひとつに結んでほんのりメイク。

今日から高校生活が始まる。

自転車にまたがって駅までスイ~っと坂道を滑ってく。


始業式が終わって、

中学から一緒のマチコが一緒に帰ろうと正門で待ってくれていた。

「今日時間ある?」

マチコはサラッとした口調と反対のニャッとした顔つきで続けて言う。

「実はさぁ彼氏の友達がカオリのこと紹介してほし~って言ってるから今日これから約束してる」と。

「え?」若干喜びと期待に目がつやつや輝いた。

「まー、見るだけ見てみ。

見るだけでいいから行こう」とマチコが待ち合わせ場所まで連れていってくれた。


繁華街の近くの時計台の下で私達は出逢った。


「おー」っと手招きするマチコの彼氏のトモ君は、

その横で何やらうつむき加減で下に目線を落としたノリの悪そうな人物と居た。




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