人でなしの終着駅
一初ゆずこ
1
ストッキングの
黒いパンプスを
駅構内のコンビニに寄るか、このまま改札を通って電車に乗るか。
間もなく到着した電車は
重い疲労から
寒さが厳しさを増す一月に、誰が窓を開けたのだろう。近くに座る女子高生が、窓の
乗客たちの視線が、芙由に集まる。後悔したが後にも
そのとき、近くから女性の声が、芙由を呼んだ。
「
落ち着いたアルトの響きを
懐かしの彼女が、シートから芙由を見上げていた。長い黒髪を一つに束ねて、ベージュのトレンチコートを着込んでいる。品良く
歳は互いに二十三で、まだ学生に間違われそうな面差しのあどけなさも同じなのに、着衣が地味で色彩に
二度目の後悔に苦しむ芙由を、彼女がどう
「玉岡さん。久しぶり」
「久しぶり……
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