新アンイン橋を作ろう!

けものフレンズ大好き

新アンイン橋を作ろう!

 これは黒セルリアンを倒してからすぐのお話。

 かばんちゃんは早くもフレンズに頼られます。


「ああ、そうだ、実はかばんに会えたら言いたいことがあったんだ」

 かばんちゃんに声をかけたのはジャガーちゃんでした。

「なんです?」

「アンイン橋のことなんだけど、ちょっと困ったことになってね。分かりやすく言うと、もう壊れそうなんだ」

「ええ!?」

「なになにーどうしたの?」

 サーバルちゃんが話を聞きつけます。

「ああ、かばんとアンイン橋の話をしていてね。結構使ってるフレンズがいるのに、今にも落ちそうで心配でさ。博士にも話そうかと思ったんだけど、すぐにいなくなっちゃって」

「うーん、こういうときビーバーさんとプレーリーさんがいるといいんですけど。2人ともいませんね」

「今すぐ行こうよ! 今度は私達がみんなを助けなくっちゃ!」

「サーバルちゃん……」

「アタシからもお願いするよ。出来るかどうかは別にして、見るだけでも良いからさ」

「そこまで言うなら……分かりました」

「それじゃあジャングルちほーに出発だね! バスがないから今度は歩きだー! がーいどーがーいどー♪」


 サーバルちゃんを先頭に、3人はじゃんぐるちほーに向かいます。


「これはひどいですね……」

 橋を見たかばんちゃんが思わず呟きます。

 あの時はバラバラになっていた橋のパーツを即席の綱でつなぎ合わせましたが、今はその綱が千切れそうで、橋桁もほとんど沈みかけています。

「元からジャンプ力のあるフレンズじゃないと渡れなかったけど、今はそれ以前の問題だね」

「どうしてそんなことに?」

「うーん、使ってるフレンズが多かったのと、最初のバスに無理があったんじゃ……」


『・・・・・・』


 そう言われるとかばんちゃんもサーバルちゃんも何も言えません。

「どうするのかばんちゃん!?」

「そうだね、もうここまで痛んでると以前の橋のパーツは使えないから、一から全く別の物を作った方がいいかも……」

「すごーい、かばんちゃんなんでも分かるんだね!」

「そんなことないよ。ぼくは作り方までは分からないし」

「コノアタリノコウヨウジュハ、オオキナハシヲツクルノニハアマリムイテナイネ」

「やっぱりこはんちほーに行ってビーバーさん達に頼んだ方がいいのかも」


 そうかばんちゃんが結論づけようとしたとき、ある意外なフレンズが通りがかりました。


「アリツカゲラさん!?」

「まあまあ皆さんおそろいで」

「どうしてここに?」

「セルリアンとの戦いで協力してもらった方を送ってきたところです。皆さんはそのまま徒歩で帰られましたけど」

「アリツカゲラそこまでしてたんだ!」

「それはもう。ろっじで働く以上、アフターサービスも万全です」

 アリツカゲラちゃんは笑顔で、かつ自信に満ちた目で答えました。


「ところで皆さんは?」

「実はこのアンイン橋の替わりに新しい橋を作ろうと思っているんですけど、どうすればいいのかすらわからななくて……」

「アタシが無理を言ってるのも原因なんだけどねー」

「それは大変ですね。私もできる限り協力したいところですが、ろっじのこと以外は……」


「ろっじ……」


 アリツカゲラちゃんの話でかばんちゃん、なにやら思うところがあるようです。

「そうだ、あれなら上手く行くかも……」

「何か思いついたんだね、かばんちゃん!」

「うん、上手く行くかどうか分からないけど、試しにやってみたいことがあるんだ」

「お、いいね。アタシも出来ることなら何でもするよ」

「それじゃあ――」

 かばんちゃんはみんなに指示を出します。

 こうして二回目の橋製作が始まりました――。


 サーバルちゃんには前と同じように蔦で綱をあんでもらい、ジャガーちゃんには使えそうな木材を、アリツカゲラちゃんには――。

「両岸に大きく丈夫そうな木があるところを探して貰えませんか?」

「はーい」

 アリツカゲラちゃんは言われたとおりの場所を見つけます。

「ありましたー」

「じゃあ後は2人の手伝いをしてそこから……」


 それからしばらくして――。


『できたー!』


 新しいアンイン橋が完成します。

 

「かばんちゃんすごーい!」

「みんなの協力があったからだよ」

「へえ、新しい橋は前と全然違うね」

「はい」

「そういえばろっじに同じような感じの橋……みたいな物がありましたね」

「それを参考にしたんです」


 かばんちゃんが新しく作った橋、それは吊り橋でした。

 以前のアンイン橋は浮き橋でしたが、それだとどうしても材料が足りません。

 そこで高い木から綱を吊し、そこに橋桁を並べる吊り橋にしたのです。


「以前と違い重い物を運ぶ必要もありませんし、ジャンプ力も必要ありません。でもこの橋も多分そこまで長くは持たないと思います。いつかはちゃんとした橋を作らないといけませんね」

「まあ今はこれでも充分さ。ありがとかばん」

「いやあ……」


「あの……」


 そんなとき不意に声がかけられます。

 かばんちゃんとサーバルちゃんは知らないフレンズでしたが、ジャガーちゃんとは顔見知りだったようで「どうしたの?」と気軽に言いました。

「実は私達の所にも橋をかけてほしいんですけど」

「お、かばん大活躍だね。まあ私も手伝うから――」

「できれば2,30個ほど……」


『ええ!?』


 かばんちゃんの活躍はまだまだ続きそうです。


                                  おしまい

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新アンイン橋を作ろう! けものフレンズ大好き @zvonimir1968

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