世界が救われる時
水無月恋歌
プロローグ
○○へ
ねぇ、キミに別れを告げてからもう何年になるかな…
きっと何100年も経っているんだろうね。
ボクはもう自分が人だったことを覚えていない。
少しずつ忘れていって
もう脳裏に浮かぶ顔が、
耳に残る声が、
誰のものか思い出せないんだ。
だけど、たったひとつだけ今も覚えてるものがあるんだ。
キミの温かさ…
キミの温度だけは何100年経った今でも覚えているよ。
不思議だよね…キミの顔も声も名前も全部…全部最初に忘れてしまったのに…。
全てを忘れてしまったけど、
キミの温もりと
キミがボクの大切な人だったことは分かるんだ。
ボクの深いところで…
ボクの心が今でも忘れないでいてくれる。
きっとこの先もずっと忘れない。
今はもう名前もわからないキミへ
いつか必ず思い出す。
そしたらキミのこと迎えにいくから
待ってて…A・A
ボクはこうして届くはずのない手紙を書く。書いては引き出しにしまって…
そうすることでいつかキミのことを思いだせるような気がして…
ねぇ神様、ボクにもう一度チャンスをくれるなら彼女と同じ世界にいさせてください。彼女からいちばん遠くていい…いつかみつけるから…
世界の終わりがくればもう1度キミに会えるんじゃないかって期待して…
今でもキミだけを愛してる。
この世界の誰よりも愛おしくて…
キミにもう1度会う…
この願いが叶ったならもう2度と離さない…
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