パンドラズ・シアターBOX!?
トータス
初回特典 主演男優:恐怖公!
今日
珍しい請願がアインズの元へと届けられた。
「ム、珍しいな」
アインズの手が止まった事に気が付いて、アルべドが声を掛ける。
「いかがなされましたか、アインズ様」
「ああ、恐怖公からの外出休暇申請だ」
「それが何か」
「あの恐怖公がだぞ、珍しい事もあるのだとな」
「そう言えば、そうですね」
「さて、今のところは差し迫って侵入者が来る事もないだろうし、認可しておくとしよう」
・・・ ・・・
そんなこんなでバカンスへと旅立つ恐怖公。
一方、一人での遠足は禁じられているリュートは、これ幸いと一緒に遠出。
元・法国領土近辺
「ふむ、これはこれは。素晴らしい光景ですな」
「スゴーイ!!」
シルバーに跨り、
金棒と盾は即席の日傘に早変わりさせて担いでいる。
眼下に広がるは、色とりどりな茸の畑。
巨大な茸の家々を中心に、それを囲む様にフェアリー・リングを形成している。
「だ、誰だ! お前達は、何者だ!」
後ろから唐突に掛けられたその声に振り返ると、見慣れぬ瑠璃色の外観のインセクト・ファーマーが大鎌を構え、こちらを伺っている。
「おや、
万が一の為、偽名を名乗る二名。
「迷った!」
宝箱に足が生えた様な、奇怪なモノに跨った子供も答えた。
その子供の肌にある鱗を見て、亜人種と見てとると、法国では基本、純粋な人間以外の亜人種の人権を一切認めていない為、敵対する必要は特に無いと判断した。
日傘代わりの武器は・・・見逃された?
「そ、そうか、亜人だったか・・・」
ほっと安堵すると、虫人は敵意を解き、構えていた大鎌を担ぎ直して言葉を続ける。
「オレは、キブリ。この先の
「これはご丁寧に、我輩達は少々の遠出だったつもりが、いささか遠くに来てしまったようですな」
その丁寧な様子から、キブリの警戒心は更に薄れた様だ。
ふと、辺りの空気が変わったのを感じ取ったキブリは空を見上げると。
「・・・直に雨も降りだす様だし、道に迷ったのなら家に雨宿りしに寄ってくと良い。」
空の雲を指差しそう言った。
「おや、よろしいので?」
「ああ、困った時はお互いさまさ。
それに、外の様子も聞きたいしな」
「さてはて、困りましたな」
デュークの困惑した様子を見て、キブリは尋ねてみる。
「何がだい?」
「我輩達は元々住む所からあまり離れた事がござらんので、何をお話すればよろしいか」
「ふっ、あっはっはっは!」
その実直な応えに、つい笑い出してしまったキブリ。
「なら、尚更だ。
長の家に地図があった筈だから、それを確かめると良い」
「・・・では、少々ご厄介になりますぞ」
家に案内され、キブリの子供のルリゴを紹介され、奥方の
キブリ達は、人間からの弾圧を避け、ひっそりと暮らしている事、最近はそれがエスカレートしている事もあり、警戒していた事などを話した。
「まぁ、何も無いが、一寸地図を取ってくるから待っていてくれ」
「相済みませぬな、わざわざ」
「なぁに、良いって事よ」
そう言ってキブリが地図を取りに家を空けた。
子供は子供同士、広い集落中を追い駆けっこ。
追い付き追い越せで良い勝負になっている様だ。
「急に押し掛けて申し訳ない」
「いえ、そんな・・・」
大真面目に頭を下げるデュークに対し、少し照れた様子のエウコリィデア。
「それにしても、お美しい翅をお持ちですな」
デュークの称賛を受け、更に瑠璃色の艶をますエウコリィデアの翅。
「そ、そんな事・・・」
「いや、申し訳ない。
ご家庭があられる方に申し上げる言葉ではありませぬな。
お忘れ下され」
「はい。・・・でも、嬉しかったです。そんな事を言って貰えるなんて」
何となく、目が合ってしまう双方。デュークはその気不味さを誤魔化そうと茶椀に手を伸ばした所、冷めてしまったから入れ直そうとするエウコリィデアの手とが触れ合った。
「や! 申し訳ない!」
「あ・・・イエ! そんな・・・」
熱い物に触れたかのように手を引っ込めてしまう両者。
気不味い空気が流れる中、そんな空気は感じないのか、地図を片手にキブリが戻って来た。
「やっと地図を見付けたぞ!」
意気揚々と戻って来たキブリだが、どことなく違和感を感じたのか。
「ん? どうかしたのか?」
「いえいえ、奥方が余りにお美しく、羨ましいと」
「はっはっは! そうだろそうだろ! 俺にはもったいない位の自慢の嫁さんさ!」
そう断言するキブリに、
「も、もう! 知らない!」
更に艶やかになったエウコリィデア。
その後、慣れない手つきで農作業を体験したり?
中々に上手くいかない事に業を煮やしたデュークは、ドルイド魔法で土を耕し、茸の生育を進めたり。
・・・ ・・・
別れの時。
集落を遠く離れ、道が判る辺りまで見送りに来てくれたキブリ親子。
「これはウチのコロニ―で作ってる茸を干したモノなんだが、記念に持って行ってくれ」
とキブリから手渡された干し茸を受け取るデューク。
「これはこれは、何から何まで申し訳ない」
「イヤイヤ、畑を手伝ってもらったし、これだけでは申し訳ない位なんだが、あまり荷物を増やすのも何だ、これだけでも貰ってくれ」
「では、お気持ちと共に、頂きます」
「アリガトー!」
「おう、また遊びに来いよ!」
「またねー!」
と別れようとした時、集落の方から火の手が上がった。
「な、なにが!?」
「と、父ちゃん!?」
「何事か!」
「何々?」
急ぎ、全員で集落へと駆け戻ると、そこには。
荒れ果てた集落。
焼け落ちそうな茸の家。
荒々しく刈り取られた
死屍累々と屍を晒す同輩達。
焼け焦げ、貫かれ、半ばまでカチ割られ、叩き潰された者達。
「な、何が・・・! シャーべ! キュッヒェン、シュナーベまで」 =ドイツ語
「あ! カファール、キャファールも」 =フランス語
「スカラファッジョ殿、何が・・・」 =イタリア語
デュークが抱き上げ問い掛けるが、返事がない、屍の様だ。
「クカラッチャ、クカラチャ兄弟まで」 =スペイン語
「う、あぁ・・・」
「ブラッタ! 何が」 =ラテン語
「カツァリダー! 無事だったか!」 =ギリシャ語
「傷は浅いぞ、タラカーン!」 =ロシア語
「み、水・・・」
「み、水だ! ほら、呑むんだ! チャンラン!!」 =中国語
「カックルラックル! 何処に行ったの!? 出て来ておくれ!」 =オランダ語
「サ、サルサール・・・なんて事を」 =アラビア語
余りの事態に愕然となってしまった恐怖公だが、心配すべき知り合いを思い出した。
「! エウコリィデア殿は!」
「母ちゃんは!?」
急ぎ、焼け落ちた集落へと駆けて行く。
「カツァリダ、このままでは俺達は皆殺しにされるしかないのか!」
「その位なら、打って出るべきじゃないのか!」
「そうだ、そうだ! 返り討ちにしてやるんだ!」
一致団結し、これからを決定づけた虫人達。
「何があったのだ!」
「ん? おお、デューク! そっちは無事の様だな」
「これは、何があったのだ!」
「ああ、冒険者達の略奪だ」
「そ、それで、御家族は・・・」
「・・・ウチのは無事だった。だが、他の者が大分やられた。
畑も、もう駄目だな。奴ら、全部かっ攫って行きやがった!
もう、此処で生きて行くのはダメだ。だから、せめて一矢報いる事に決まったんだ」
このままでは、この集落が丸ごと消える。
そう判断したデュークは「・・・
魔法によって生み出された茸を手にして胞子を振り撒き、強制的に眠りに陥らせた。
「これで良い」
「・・・デュークさん」
その声に振りかえると、片翅を失いながらもこちらを伺うインセクト・ヒューマン。
「! エウコリィデア殿」
「夫達に、何を」
「御夫君には、お休みいただいた。
もし、冒険者相手に一矢報いられようとも、報復として滅びてしまわれるでしょう」
その事実が、直に理解出来た。
「・・・夫達を止めて頂き、ありがとうございます」
「出来れば、遠くへ逃れなされ。生きておればこそ、希望も芽生えましょうぞ」
「・・・はい」
その声と、その後ろにある虫人達の決意を見て、これなら生き延びられると考えた。
「では、我輩達はまだする事があるので、御免!」
「ゴメン!」
未練を断ち切るかのように外へと飛び出したデューク。後に続くリュート。
その後を追う様に小さな影が後に続く。
・・・ ・・・
集落からかなり離れた野営地。
男達の手には、色とりどりの原色をした茸。
その背後には、鮮やかな瑠璃色をした硬質な翅が乱雑に積み上げられている。
「ワハハハッ! 笑いが止まんねぇ!」
その手には、茸が煙るパイプをさも旨そうに燻らせている。
「こ、これでま、また、ぼろ儲けだ、だぜ!」
その手には、齧られた茸。目が泳ぎ、手足を意味も無くバタつかせ、呂律が回らないながらもそれを口に運ぶ事を止めようとはしない者。
口から泡を吹いていても誰も気にしない。
「こんな仕事、またあり付けると良いがな!」
「ほほぅ、どの様に儲けられるのですかな?」
聞き慣れない声だったが、鈍った頭ではまともな判断は鈍っている様だ。
「奴等が育てている茸が麻薬に変わるのさ」
「な~ぁ、だぁれだぁ? そ~んな事~を聞くヤツァ~」
そんな問い掛けにさえ、軽々しく応えられるほど浮かれていたが、ふと気が付いた様だ。
「・・・だ、誰だ!?」
「テ、テメェ!!」
「ほっほっほ、反応が遅いのですなぁ」
0,6秒の即応召喚により、冒険者達が詰める洞穴は黒き眷属で満ち溢れる。
「な!? ながぁ・・・」
「オヴエェ!」
その黒き奔流は、開いた口の中を満ち溢れさせ詰まらせる。
チクチクとした痛みに苛まれながらその状態から逃れようとする冒険者達。
「そぅれ、それ! まだまだ行けますぞ!」
「は、放せ! 放せよ!」
そのまま、全てが黒き奔流によって解決するかに思われた時。
「テメェ! ソコを動くな!」
その声を聞き付け、ピタリと一斉に動きを止めた恐怖公とその眷族達。
ゆっくりと声のした方を振り返ると、屈強な男達が同輩たるルリゴを踏み付け、その背に槍を浅く突き立てていた。
「う、うう~! 放せ! 放せよ!」
「ルリゴ殿!」
「おっと、動くな! 手下達から、そいつ等を下がらせろ!」
「・・・仕方が無いですな。下がれ、我が眷族達よ」
ザザァーと、潮が引く様に引き下がる眷族。
後に残されたのは、ピクピクと痙攣をする者達。余りの嫌悪と恐怖に、パニックに陥っている。
「ちっ、ダメかも知れねぇか」
踏み付けている男はその在り様を見届けると、吐き捨てた。
「だな、これならもう仕方がねえ。どうせなら一息にやっちまっても良いんじゃねぇ?」
「そしたら丸儲けだな」
その場にいなかった筈の者は見周りに行っていたか、はたまた取引相手か。
「ルリゴ殿を、放しては貰えないか」
「駄目だな。放せばまたアレが襲ってくるんだろ」
「・・・放して貰えるのなら、こちらからは手出しはせぬ!」
「うー、お前なんか! あっと言う間にやられちまえ!」
「黙れ!」
冒険者はグリッと踏み付ける足に力を入れ、パキパキと音を立てる。
「
「ま、待て! それ以上の狼藉は、我が輩が許さぬ!」
「へ、動くんじゃねぇ。んな事聞くか。くたばりな」
そう言うと、背後に隠していた
「リュート殿! ルリゴ殿を!」
そう叫ぶと同時に、恐怖公はマントを翻し、矢の威力を抑え、逸らせようとするも距離が近過ぎたが為に、その胸を穿つ。
だが、それだけの間にめまぐるしく事態は動いた。
その間、0,6秒。
何があったのか分からないまま、男達は跳ね飛ばされて一瞬空に舞い上がり、地面に転がり痛みにのた打ち回る。
男達の後ろに音も無く降り立ったリュートが速度の付いたシルバーの上から盾で体当たりをかまして跳ね上げ、ルリゴを
「やっちゃえ、キョーフコー!」
そのまま恐怖公の元へと駆け付けようとするが、
「ナイスですぞ! リュート殿! そのまま遠ざかって下され! 後は、我が輩にお任せあれ!」
「分かった!」
遠く小さくなって行くのを確認すると。
「・・・クッ! さて、我が輩も、決着を付けまするか」
深手ではあるが、お互いにまだ息がある。
だが、自分はまだ痛みを感じる事無く動ける。
だからこそ、子供にこの先のモノを見せるのは忍びない。
「・・・クソッ! 一体何が」
「我が友に助勢して貰ったが故・・・」
ゆらりと、起き上がりつつある冒険者達。
「へ! たった一体で、俺達に敵うとでも?」
「アタタ・・・何があった?」
「新手が居たみたいだが」
「な、何ん~がぁあ~た?」
「う~、呑み過ぎたか、ひでえ気持ちワリイなぁ」
さっきまで転がっていた者達も、時間の経過と共に起き上がって来た。
悪酔いして、さっきまでの事は覚えていない様でもある。
そこから、最後の血戦が仕切りなおされた。
最後の一人と刺し違え、辛うじてインセクトとしての生命力で生き長らえる恐怖公。
・・・ ・・・ ・・・
「ハイヨー! シルバー!」
棹立ちになりながら方向転換して走り去ろうとする彼に、
「デューク! ボクと一緒に村に残ってよ!!」と叫ぶルリゴ。
だが、彼は振り返らない。
「ルリゴ殿、我輩には、我輩の居場所がある故。さらば!」
ルリゴは、振り返った彼の目に、見せる背中に変わらぬ固い意思を見た。
それを覆すだけの理由が思い浮かばず、せめて笑顔で見送る事にした。
「じゃあ、元気で! デューク!!」
その胸を貫く槍の如き矢をそのままに、颯爽と走り去って行った。
その行く先には、死が渦巻く地下大墳墓へと繋がる道・・・。
恋した雌性(?)の子供が必死に引き留めようとするが、彼は去って行く。
・・・ ・・・ ・・・
さて、事の始まりは・・・暫し遡る
リュートは
フェンとクアドラシルとで
フェンとは第五層の障害物の無い雪原で爆走・・・というよりフェンが大喜びで暴走・・・リュートは御す気も無かった=一緒に楽しんでた。
クアドラシルとは第一層~第三層でドリフト走行練習中・・・接触
=プレーグ・ボンバーを撥ねた・・・ぼよょよょん! と撥ね跳んだプレーグ・ボンバーs。
壁にぶつかり跳ね返り、床にぶつかり跳ね跳んで、更にスピンターン中、再度・・・
更に勢いのついたプレーグ・ボンバーs・・・達の元へ飛び込んだから、ナインボールの如く、ブレイク!
あっちにコロコロ、ゴロゴロ! そっちにボョンボヨン! 向こうでバインバィン!
あちらこちらで激突し、偶々? 稼動中のるし★ふぁー仕込みの~九つの罪宝・怠惰~に吸い込まれ・・・
偶々転移して来たアインズは、
アインズが十字路を通り抜けようとした所・・・十字砲火の如く前後左右からぷれ~ぐ・ぼんば~まんsが現れ・・・連鎖爆裂! =ダメージは無い
その事でリュートはしこたま怒られた。練習は外で、誰かの監督の元する様にとお達しが出た。
その事から、フェンとクアドラシルは流石に外に出すのは憚られ、恐怖公と共に外へ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます