第7話 第一関門と二人で踏み出す一歩

本当にわかってるのか怪しいけど…困ったな…2人にはもう言ってしまったし、まともな趣味って今から作れるのかなぁ?


『ちなみに、かえちゃん。料理は?』


『できないっ♪』


『音楽を聞いたりは?』


『しないっ♪』


『じゃあ、読書とかは?』


『あー…少女漫画とか可愛い絵のラノベならたまに読んだりするよっ♪』


おおっ!?見つけたっ!可能性の種を!でもこの先を考えるともう一つ聞いておかないと…


『そうそう聞きたいんだけど、かえちゃんの夢って何かな?』


『たっくんのお嫁さんっ♪』


この場面を見てたら誰もがそう言うと思ってましたよっ!でも本当にそうなんだ…嬉しいっ…って違うだろっ!確かに嬉しいけれどもっ!それよりもかえちゃんにまともになってもらわないと困るっ!多分色々とね?


『よし、じゃあとりあえず石化した2人の状態を見に行くとしよう。』


なんてことを思いつつ俺の部屋に戻ると、2人で談笑していたらしく賑やかな雰囲気だった。


『ごめんね、2人とも、ちょっとかえちゃんに個別で話したいことがあって。今終わったんだけど待たせちゃったね。』


部屋に入ってすぐ、胡桃先輩が耳打ちしてきた。うんっ。顔が近いね。


『拓真くん、あの子大丈夫?というかあれは、本当に?』


『みたいです。でも俺が直してみせますよ。幼馴染ですし、このままじゃかえちゃんは大人になっても世間からしたら大人じゃないでしょうから。』


『そ、そっか。それなら私もできるだけバックアップするね♪ 』


『ありがとうっ!ぜひお願いします!』


栞ちゃんにも言っとかないと…


『栞ちゃん、アレは…その…』


『事実なんですか?なんか先輩にベッタリの会長さんらしいですね、ふふっ♪』


『そ、そう思ってくれるのはすごくありがたいけど、やっぱり直してあげたいんだ。だから協力してもらえるかな?』


『はいっ♪ 先輩のお望みとあらば、喜んでお受けします♪』


『ほんとっ?ありがとうっ!よろしく頼むよっ!』


その後いろいろ雑談したりしていると、なんだかんだ時間は過ぎて…


『じゃあね!拓真くんっ!』

『さよならっ!先輩っ!会長さんも!』


『ありがとっ!2人とも!』

『楽しかったっー!またねっ♪ 』


見送った後、俺はとりあえずかえちゃんに何かしら本を貸してみようと思って…


『よしっ!じゃあ早速、俺のとっておきを貸すから読んでみよっか!何事も実践あるのみだよっ!そうだなぁ。まず手始めに…うーんと…』


しまった…俺にすればどれも面白いからどれにするか迷ってしまうぞ…←(それ全部とっておきじゃねえかっ!)というツッコミ、痛み入ります。


俺が持ってるのを並べたらすごく偏ったラインナップだったのは言うまでもなくて。


まあ、あくまで想像ですが言いたいことはこうでしょうか、

・長編マンガなくない?

・男ならドラ○ンボールとワ○ピースくらい…

・ラノベ過多だね。        

・あれが入ってn…    


言い出したらきりないでしょうがこんな感じでしょうか。

↑俺の想像です。


みたいなね……まあいいや話を戻そうか。って、どこだっけ?


ああ!そうそう!かえちゃんに本を貸すんだった!でも一応ジャンルは聞いてみよう。


『かえちゃんはジャンルでいうと何が好きなの?』


『そうだね〜…やっぱりドタバタなラブコメか熱々なバトルものの二択になっちゃうね〜♪ あはっ♪』


ええ〜っ!?そこで俺の思考と丸かぶりしてくれるなんて、選びやすいっ!…いや待て…逆にいえば俺の持ってるやつ全てを網羅している可能性も…いやまさかね?だってちょっとかじってる程度みたいだし。でも一応…


俺はさっきのラノベリストをスマホのメモに打ち込んでかえちゃんに見せる…


『この中で知らない作品あるかなっ!』


『うーんと…』


かえちゃんが確認してる間、大げさに聞こえるかも知らないが、結構自分の鼓動が早くなっているのが伝わってくる…ど、どっちなんだっ!


『うんっ♪ 全部知ってるよっ♪』


…うんっ!かえちゃんに何も貸せないね。貸す必要がないもん。この瞬間に俺は悟ってしまいました。


『すいませんっ!幼馴染としての価値なくなりましたぁぁぁぁっ!』


『ふえっ?た、たっくん!?な、なんで土下座なの!?なんで謝るの??』


『いや、こっちの話…それよりかえちゃん。次の休み空いてるかな?』


でも、俺は俺でちゃんとかえちゃんを大人にしてみせるよ。だから挫けても立ち止まることだけはしない。だってそれは俺の経験上、後には後悔しか残らないのだから。



続くーー。



作者より…

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