第5話 自分の立ち位置と初めての修羅場
『……なにそれ?』
『具体的にいえば、仲直りする部活ですっ!関係が崩れてしまった者同士の関係を修復するんですよ!』
『えーっと…例えば今の俺と栞ちゃんみたいな感じの関係ってこと?』
『はい!その通りです♪ってことで早速、創部届を出しに行きましょう!部長さん♪』
ハメられたぁぁぁ!!!って。待てよ…?
『待て待て。なんで俺が告白を断る前提みたいに物事が上手く進んでるの?普通こんなスラスラと進まないでしょ?』
『…流石は先輩。勘だけはいいですね。』
勘だけはってなんだよ…
『はっきり言います!私絶対に先輩と恋仲になりますから!イチャイチャしますから!将来的に結婚しますから!』
なにっ!?てか最後におかしいの混じってるぞ!
とりあえずサラッと受け流そう…
『あははは…じゃあ職員室に行こうか。』
俺は早歩きで先に歩き出した。
『ちょっと!まだ話は終わってませんよ!待って下さいーっ!』
可愛い後輩が後からついてくる。俺の学校生活というかいろんなものが変わりそうだな。
かえちゃんになんて言うべきか…とりあえず、俺は部長になるみたいです。
職員室に着いて少し経ってから…
追い出されました。当たり前だけど。
『…なんでですかね?』
うん、この子部活をするという大きなプロジェクトを甘く見過ぎだ。
普通に考えてわかることだが、創部届を出すには最低でも5人は部員がいる。それに対し俺らは2人。少なくともあと3人は必要なのだ。
『勢いばかりで根本的なものが何にもわかってなかったんだな。栞ちゃん?』
泣き顔っぽくなってる栞ちゃんの頭をぽむぽむと撫でる。すると顔がぽはっと赤く染まって…
『なななななななにしてるんですかっ!?子供扱いですか!私1つ年下なだけなんですよ!もうほとんど大人なんですからね!?』
確かに…特におっぱいは格段に大人ですよ。なんて考えながらも。
『ご、ごめん。悪かったよ。小さい子を見ているようで可哀想だったからつい…』
『次やったら…何するかは考えておきます、けど!とにかくやめて下さい!』
何されるかわからないのが一番怖えぇよ!?
『やらないから。もう二度としません。たとえ他の女の子にしても栞ちゃんにだけはしませんから。』
すると、何故かまた怒り出した!
『他の人にはやるのになんでやらないんですか!?差別です!いじめです!』
もう…わけわからん。女の子、難しい生き物だなぁ…
次の日の朝ーー
いつものごとく、かえちゃんは隣ですやすやと眠っています。
約束を守らず毎日隣に来られるので、思春期の男としては毎朝が大変ですね。色々と。
かえちゃんと一緒に登校する中、学校の正門に着くと、可愛い赤髪が…
『先輩、昨日聞くの忘れてたんですけど、LaIN教えてください。学年違うし、直接会うのが難しいので。』
『そうだな。ほれ、俺のQRコード。読み取ってくれ。』
後輩のスマホで読み取った音が…
『はい、ありがとうございます!ちゃんと友達登録しといて下さいよー?』
『はいはい、今するから…えーっと…ああ、これか。登録っと。』
『あの…先輩。会長さんが屍みたいになってるんですけど…』
『え?屍?』
今まで横にいるかえちゃんを見てなかった俺は全く気づかなかったのだが、思えばここに着いてから一言も発してないことを今更気づいた。
『…』
『かえちゃ…コホン。会長?大丈夫ですか?会長ー!?』
『た…』
『たっくんの…バカぁぁぁぁぁぁー!!!』
次の瞬間、アニメみたいにありえないスピードで走り去っていった…
『えぇっ!?てかその呼び方はNGだってばぁぁっー!!』
会長がありえないくらいの大声を出したのだから無理もないのだが、俺達は完全に注目の的だった。
女性陣
『たっくんて呼んでたよね?』
『てか一緒に登校してるし…やっぱり…』
『会長を泣かせるなんて…男なんて…』
男性陣
『あの野郎っ!おい!あいつを捕まえろ!』
『学園のアイドルの1人である会長を泣かせただと???逃がすな!制裁を下せぇー!』
『しn(自主規制)』etc…
ああ…俺、GAME OVERかも…?
その後、空き教室へ連れていかれて尋問、もとい八つ当たりされていた俺ですが、これが先生方も助けてくれない(見て見ぬ振りをして逃げていく)のでもう終わるまで、諦めようと思いました。でも…その時、
『こらぁ!あんた達何やってんのっ!って拓真くんっ!?』
何かを巻かれて目を塞がれているので見えないが、これは胡桃先輩の声?
『たっくん!?貴方達…私の…私のたっくんになんて事してるのよぉーー!!!』
かえちゃんも?もしかして…生徒会が来てくれたのか?
だが、俺も色々やられまくりで体力の限界だったのか…そのあと何があったのか覚えていない…おそらく気絶したのか…でも、その意識が飛ぶ間際に2人が俺を呼んでるのが聞こえた気がした……
『……んんっ、、んっ?ここは…?』
視界がクリアになって、ようやく理解した。
『保健室か。あの後俺どうなったんだ?』
そう言い終えてすぐ、保健室のドアが開いて…
『拓真くん!?よかったー…目が覚めたんだね…心配したんだよっ?』
顔近っ!?もう何センチしかないくらいの距離ですよ胡桃先輩!ドキッとしたわ!
『はいっ!?す、すいませんっ!でも顔近すぎです!先輩!』
俺は赤川さんみたく『ぽはっ…』っと顔が赤くなってしまった。仕方ないじゃん?かえちゃんとは違うけど、可愛いんだもの!
『あ、ごめんごめん。ってそうじゃなくて!大丈夫?あの後の拓真くんぐったりしたてたから生徒会のメンバーで保健室に連れてきたんだけど。』
『そうなんですか…ご迷惑をおかけしました。俺のせいで……。というか今何時ですかね?』
『今?ちょうど昼休みに入ったところだよ。それで〜私のお弁当食べる?』
女の子からお弁当をもらえるだとぉ!?なんてリア充のような展開!!!
『いいんですか?でも胡桃先輩の分が…』
『いいのいいの!むしろ拓真くんが食べてもらわなくちゃ、それで早く元気になって欲しいんだよ♪』
パチっ♪ってウインクされたぁーっ!?またドキッとしたわ!ってかいちいち反応しすぎだぞ俺!このままじゃ別の意味で倒れるわ!
『じゃあ、お言葉に甘えて…』
『うん、はいっ♪あーん…』
えぇっ!?食べて欲しいってそれ込みですかぁーー!?
『あの。胡桃先輩、自分で食べちゃ駄目ですか?』
『え?あーんはだめ……?』
目をうるうるさせないでぇーっ!また俺が泣かしてるみたくなるじゃないかぁーっ!
『わかった!わかりましたから!そんな泣きそうにしないでください!』
俺の周りの女の子はこんなに可愛い駄々をこねる人ばかりだったのか?こんなの断れないでしょ!?
『えへへっ♪よかったぁ♪はい、あーん…』
『あ、あーん…』
そのまま俺の口の中に唐揚げが運ばれてきた瞬間、また保健室のドアが開いて。
『たっくん!だいじょう…ぶ?』
俺達はそのまま静止してしまい、かえちゃんも同じように動きが止まっていた…
わかると思うが、あえて言う。
修羅場キタァーーー!!!
続くーー。
作者より…
『感想をお待ちしておりますm(_ _)m』
『よかったら、レビューやフォローお願いいたします♪』
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