誰かの夢
第120話 誰かの夢 1
***
萌は薄闇に溶けながら、
先ほどまで桂壱の内側から全てを見ていたのに、今、萌は成す術なく中空に浮かんでいる。
桂壱が「孤独」を意識する度に、萌は見えない手に押し出されるような奇妙な感覚を味わってきた。
それがもう、いよいよ外へと追い出されてしまったのだ。
自分の意識も急激にはっきりとしてきている。
きっと夢の終わりは近い。
この子はもうすぐ自殺するのだ。
萌の予想通り、事態は次々と良くない方へ転んでいった。
不幸な少年の「死」に向かって、まるで走馬灯の様に物事が流れて行く。
最初に、
市東の家の入り
星弐は桂壱に何も言わないままだった。
それからの桂壱は、以前にも増してふさぎ込む様になった。
何かを話そうにも、会話する相手が居なかった。
母親は星弐の方を自分の元に
そんなときだ。
市東 桂壱が高校教師である岡山 遥斗と出会ったのは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます