死んでる僕
第39話 死んでる僕 1
***
平常心を保てなくなったときは、自分を客観視すると良いらしい。
今、自分がどういう状態か言葉にして理解することで、自らをコントロールするのだ。
これをメタ認知と呼ぶ。
あのイチローも、自分を客観的に見つめるもう一人の自分を心の中に置いていると言うからこの方法は信用がおけるはずだった。
「俺、石橋 恵一、23歳。身長175センチ、体重62キロ」
今、道路に仰向けになり、秋空を眺めている。
頭上からはサイレンのやかましい音が聞こえていた。
左ひじをついて上体だけ起こし、ひねるようにして音のする方を見る。
急いで走る救急車のお尻が見えた。
「道路の両側は
そして、今、俺の身体の中を、幼女が走り抜けて行った。
「俺が透けてる…」
何故こうなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます