第12話 本日は仏滅凶日!6

萌の授業を思ってだろうが、それから直ぐに恵一は別れの挨拶を言い、電話を切った。

あまりにもあっさり切られたので、

名残惜しいかったのは自分だけかと虚しい気持ちになる。

恵一のことを少しだけ恨めしく思いながらも、足は自然と地学教室へ向いた。


教室のドアを開けると案の定、クラスメイト大多数が振り返った。

その中に、京平とリョウマの心配そうな顔が見えて申し訳ない気持ちになる。


京平だけでなくリョウマにも、今日の事情を話そうと思った。

出来ればこの、自分の嫌いな自分の一部を理解してもらいたい。


席に着き、色々と晴れない気持ちで顔を前に向けると、黒板横のカレンダーが目に入った。

先ほど、小さく聞こえてきた二人の会話が頭の隅に残っていたのだろうか。


視線は今日の日付が入った小さな四角の中の、小さな『仏滅』の文字に吸い寄せられた。

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