偉い蝶
PURIN
偉い蝶①
森の奥の奥のそのまた奥に、色とりどりの花が咲き乱れる花畑がありました。
そこには、たくさんのピンクの蝶たちが住んでいました。
ある時、水色の蝶たちがやってきました。
今まで住んでいた白い花の花畑が人間のせいで全滅してしまったので引っ越してきたのです。
しかし、ピンクの蝶たちは、よそ者で、自分達と羽の色が違い、数の少ない水色の蝶たちをいじめ始めました。
「何? この汚い色の羽?」
「お前ら我々の吸う花の蜜も全部横取りする気なんだろ? 出て行けよ泥棒共!」
「この世界一すばらしい花畑にお前たちみたいな奴らがいるなんてとんでもないことだ」
なかでも、ひときわ大きなピンクの蝶は、自分たちピンクの蝶が最も偉い蝶だと思っていたので、仲間たちに水色の蝶たちに関するでたらめな噂話をしてみんなが水色の蝶をもっと嫌いになり、自分たちがピンクの蝶であることをもっと誇らしく思うように導いていました。
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