アイシテル

ともみ

第1話

2年前の今日、父が他界した。会社からの帰宅途中に、バイクで跳ねられたのだ。私達が病院に駆けつけたときには既に、この世を去っていた。泣く暇など無かった。無事に葬式を終え、新しい生活が始まった。唐突な父の死は母を変えてしまった。

扉の先の暗闇に、私は小さく挨拶をした。

「ただいま。」

どうやら、母は家に居ないらしい。正直、またかと思った。私は、何かを振り切るように頭を振るい、電気を付けた。テーブルの上には、夕食代の1000円札と今日も帰れなくなっちゃった、ごめんネというメッセージが書かれた付箋が添えられていた。私は付箋の色がピンクということになぜか苛立ち、1000円札からそれを剥がして、思い切りぐしゃぐしゃにした。そうして、母に当てつけともいえるメッセージを勢いで書き始めた。一通り書き終わった後、急に馬鹿らしくなってしまい、母のメッセージと共にゴミ箱へと投げ捨てた。気分転換をしたくなって、私はコンビニへと向かった

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