帰還と情報


「「おとーさん、おかえりー!」」


「ああ、ただいま」


孤児院に戻った途端、子供達に出迎えられた。長い間空けていたから寂しかったのかもしれない。


あれ、洗脳したんじゃなかったの?

と思うかもしれないが俺の言うことに逆らえないだけで基本いつもと変わらないように洗脳してある。

ついでに言うと従業員も洗脳してあるのだが…


「クリス、今の日本はどんな状況になっている?」


「えっとぉ、各国に謎のテロリスト?の被害があったっていうのに何故日本は被害を被っていないのかぁー。って国々から圧がかかってるよぉ」


「なるほどな。概ね予想通りといったところか。

……少しばかり休憩する、

部屋には入るな」


「はぁーい」




ガチャッ


「ふぅー、疲れたぁ〜」


さて、これから一体どうするべきか…

さらなるレベルアップを望むわけではないが馬鹿みたいにレベルアップしたのだから遊ばなきゃ損だよな。


まずは日本のお偉いさん方を洗脳でもして戦争まで持ち込めるようにしましょうかね。


洗脳ができる暗殺スキルまじ便利やな


とはいえ流石に今日は寝るか。








【神格化により一部のスキル、情報が解放されます。】



「……んん、ふわぁーあ。

よく寝たな。そんでもってまじすごい情報来ちゃったよ、まじやばい、てかまじこれ来たんじゃね?」


動揺で語彙力が多少死んだが、

本当にやばい情報が来た。


いや、スキルの方もやばいのが結構来たんだがそれ以上にやばいというか、てかスキルと情報が連なってやばいというか……


ふう、落ち着いて来たから整理してみるか。


まず解放されたスキルが『転生』だ。

ステータスを確認したら???だったものが消えて転生が増えていた。

他にも神格化によってもたらされたスキルがあったが今はいいだろう。


転生、つまりは転生輪廻てんしょうりんね、生まれ変わりということだ。

神話で同じことができた神がいたそうだが俺は妖怪と人間のハーフである。

故に神の末裔とかそんな血統ではないはず。


その真実が解放された情報に含まれていた。


皆さんは西遊記なる伝奇小説をご存知だろうか?大多数の人間が見聞きしたことのあるという前提で話させてもらうが、西遊記に出てくる三蔵法師という人物。


あまり知られてはいないのだが

三蔵法師は沙悟浄に9回殺され10回生まれ変わっている。

生まれ変わった後、孫悟空や猪八戒などと組み生存フラグを立てたそうだ。


そして、ここから先が知られざる物語なのだが一行は旅をしている際に三蔵法師と孫悟空が結ばれ子をなした。

だが、それがバレてしまえば沙悟浄に我が子を喰い殺されてしまう。

斉天大聖の号で呼ばれ信仰された孫悟空でも誰かを護りながら強者と戦うことは難しかった。


そして妖怪と人間が子を成すことは禁忌とされ三蔵法師と孫悟空は捕らえられたそうだ。


そして処刑を宣告された三蔵法師は子にという力を継承させ

己の力の無さに悔やみながら死んでいったそうだ。


処刑することが不可能な程の力を持っていた孫悟空は再び封印され信仰されながら長い年月を掛け完全に消滅したそうな……


ここまで言えばわかると思うが俺は転生という力を誰かから継承されたのだ。孫悟空の圧倒的な力を少しばかり受け継いだ状態で。


俺のスペックが高く才能があったのはそういった意味合いがあったが故にだと思う。


だが、ステータス閲覧という力はそれによってもたらされたわけでは無いようだ。

現状の力ではそれ以上の情報を知ることはできなかったのだが

まあ、別にいいだろう。


神の末裔とか眉唾物ではなく結構ガチな情報が来たな。

信仰されるほどの力を持つ妖怪の力を少しでも受け継ぐことができたのだからあながち間違いであったということでもないだろう。


神種だし……


先祖返りのような現象で力を得ることができたのだ。

この力を持て余しつまらないことに使うわけにはいかないだろう。


遊ばにゃ損だよな
















あわよくば、その先で死ねることを

切に願おう……

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