攻略済みゲームに転生した俺は彼女達のバッドをハッピーにする!
@ryurion
第1話真のバッドエンド
――ガチャり
俺は扉を開け、先程俺のお年玉全てを使って買ったテレビゲーム【クラウディアテンペスト】を床に置く。
近くにはパソコンやらのゲーム機が散乱しているため、適当に手でどかして自分の座る部分を作り上げる。
さらに暗くカーテンのしまった部屋を作り上げ、俺はこれから寝ずにゲームをやり続けようと思う。
――これが全ての始まりだった。
――ゲームを始めて2時間後。
「え。ドリンちゃん死んじゃった……」
ヒロイン1人目死亡。
――ゲームを始めて1日。
「おい、妹まで死ぬのかよ……」
家族まで死亡。
――以下省略(多数のヒロインと近場の人が死んだ)
――1週間後
人間の体力じゃまずありえないほど寝ていない俺は、目の下に馬鹿みたいなクマをつくりながらテレビ画面を真剣に見つめていた。
――ラスボスとの1戦
いよいよヒロインは俺の一番好きなマミちゃんのみになった。
まぁここまで来るとラスボス倒してマミちゃんルートで終わりか。そう思った時だった。
テレビ画面でマミちゃんが主人公を守って倒れる姿が……。
「いやいや! まさかね、テンプレだろ? どうせこの後主人公のスキル覚醒みたいな…………おい嘘だろ」
画面にはキャラの声優やこのゲームの作者の文字が。
――エンドロールだ。
つまりこのゲームは単にバッドエンドストーリーなのだ。
……俺は許せなかった。
助けたかった。
死なせたくなかった!みんなみんな好きだった!
……そうだそんなにみんな死ぬなら俺も死んでやろう。
1週間の徹夜は精神を崩壊させ、冷静な判断ができていなかったのだろう。
俺は2階にあるこの部屋の窓からエンドロールを横目に飛び降りた――
後日、これが真のバッドエンドと、作者は語ったらしい――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます