私が詐欺の被害にあった話
ドリメタ
序章:前口上
江戸時代。殺人、詐欺、盗み…。それらを犯した悪人は人相書きを張り出され、次々に御用となっていった。だが、全てが裁かれた訳ではない。それが写真になった現代でさえ、逃亡劇を続ける者が居るのだから。
さて、当時のそれらについて思うのは絵描きの特権だ。もしも絵描きが詐欺を受けたのであれば、肖像権などの無い時代、いくらでも描いて世間に広めたであろう。そして世界が動くのを見つめる事も出来た。むしろ、五寸釘を打ち込み、呪いを掛ける方が信仰されていたやも分からない。
さて、現代。時代は法に縛られている。その隙間を縫う頭の良い詐欺師達はむしろ、法に守られてしまっているのだ。だが、騙した相手が悪かった。こちらは10万回も読まれた小説家の卵なのだ。法の抜け道を、私も用意しよう。「この作品はフィクションであり、実在する団体や個人とは一切の関係はありません」。名前も一文字変えただけで仮名ともなる。いや?彼らは遠征していた時に適当な仮名を語っていたな?では、今はもう使われてないそれを使わせて貰おうか。
私は物書きとして世間に広め、文字の上でお前達を殺そう。そして、文字の上で呪いを掛けようではないか。
森
佐藤
田嶋
大桃
この四人が後悔の火で溶かされた溢れんばかりの硬貨の沼に落とされる事を心から祈る。
恨みが恐ろしい事を知らしめてやろう。
むしろ、この話が売れて金が入り、満面の笑みで、ネタをありがとうと語る日が来るのも待ち遠しい。
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