いつか、また会おう。この丘で。
神村
プロローグ
私には、前世の記憶がある。
正確には、前世のものとおぼしき記憶がある。
人によれば、くだらないとか、信じられないとか思われるかもしれない。しかし、私が経験していない記憶があることは事実であり、それは否定することはできないものである…と思う。
「いつか、また会おう。この丘で」
彼女は確かにそう言った。
私は今世では知るはずも会ったはずもない彼女に興味があった。というよりも、使命感があった。
会わなくてはいけない。
しかし、その場所に心当たりは一つもない。なにせ、その場所には何もないのだ。
どこにでもあるような丘なのだ。どこか、外国のような、日本のような、ファンタジーのような、この世界に似ているような、不思議な場所であることを除いては。
いったい、どこに存在するのか。私は、そのことで頭がいっぱいだった。
彼女はどこにいるのだろう。
あの丘はどこにあるのだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます