PPPマスターマーゲイ
けものフレンズ大好き
PPPマスターマーゲイ
マーゲイちゃんのマネージメントもあり、3代目
でもそれで満足するマーゲイちゃんではありません。
マーゲイちゃんの野望は留まるところを知らなかったのです……。
「みなさん今日のらいぶも最高でした!」
マーゲイちゃんは舞台から帰ってくるPPPの5人を最高の笑顔で迎えます。
「マーゲイもいつも色々ありがとうねー」
「プリンセスにそんなこと言ってもらえるなんて鼻血が……」
「おいおい、いい加減慣れろよ!」
「マーゲイはいつもそんな感じだな」
「コウテイも気絶癖まだ治らないよね~」
「あははは」
「――と、こんなことしてる場合じゃないわ。実はみなさんに話があるんです!」
『話?』
「とりあえず控え室で待ってる2人に会ってください」
そう言いながらマーゲイちゃんはPPPの5人をある部屋に連れて行きます。
そこには――。
「ひさしぶりね」
「初めましてー」
「トキ久しぶり! えっとそっちは……」
「インドゾウよ~。よろしくね~」
「よ、よろしく、ロイヤルペンギンよ。みんなからはプリンセスって呼ばれているわ」
それから他のPPPのメンバーもインドゾウに自己紹介を始めます。
「それで、話って言うのは?」
「それはですね――」
マーゲイちゃんは少しもったいぶります。
「特訓です!」
『とっくん?』
トキちゃんとインドゾウちゃんを含めた全員が鸚鵡返しに言いました。
「そうです! PPPの表現の幅をより広め、ジャパリパーク1の、いいえ世界1のアイドルグループになって貰うべく、歌のスペシャリストであるトキと踊りのスペシャリストのインドゾウに協力して貰おうというわけです!」
「ライブを特等席で見せてくれるって言うから来たけど、そういう理由だったのね」
「私も今初めて知ったわー」
「当然ただで見せてあげたからには2人にも協力して貰うわよ!」
マーゲイちゃんは押し売りのようなことを言ってきます。
「ま、マーゲイ、いくらなんでもそれは……」
「まあいいわ。私も教えることで歌が上達するかもしれないし」
「私も構わないわー」
「ごめんなさい……」
責任感の強いプリンセスちゃんが代表して謝りました。
そんなプリンセスちゃんの気苦労などどこ吹く風で、マーゲイちゃんは言いました。
「それでは早速PPP強化特訓開始よ!」
まずは歌の特訓です。
「~~~♪」
『おお~』
トキちゃんの歌にPPPのみんなは感心します。
かばんちゃんに歌ったときからトキちゃんの歌もずっと進歩しました。
ゆうえんちで歌ったときよりもです。
でも、マーゲイちゃんは不満そうです。
「どうしたのマーゲイ?」
「だめよ! 以前のあなたの歌はもっと破壊力があったわ!」
「破壊力?」
トキちゃんは首をひねります。
「最初に聞いたとき、正直眼鏡が割れるかと思ったわ。あのときのパワーが今のPPPには必要なの! 初めて歌ったときのような歌い方でおねがい!」
「……分かったわ」
少し考えてからトキちゃんは歌います。
「わた~しは~とき~、あ~い~ど~る~に~うたを~おしえ~て~る~の~!!!」
トキちゃんが歌った瞬間、PPPは苦しみだし、マーゲイちゃんの眼鏡にヒビが入ってしまいました。
「これよ……みなさん……このパワーを……忘れないで……くださいね……がく」
全員が回復するまで少し時間をおいて、次の踊りの特訓が始まります。
「えっとーここはこんな感じでー」
「こうかな?」
「そうそうー」
インドゾウちゃんのダンスレッスンは、今のところ順調に進んでいます。
「インドゾウの踊りは私達とは全然違うけど、すごく参考になるな」
「そうね、体の使い方とか。コウテイもリーダーとしての自覚出てきたんじゃない?」
「いやそこまでは……」
「うふふふ……」
和気藹々とレッスンは続いているのに、またしてもマーゲイちゃんは不満げ。
「だめよ! 以前のあなたの踊りはもっと破壊力があったわ!」
「破壊力?」
『・・・・・・』
さすがにPPPのメンバーも、2回目ともなると嫌な予感がします。
「初めて見たときのあなたの踊りには、もっとパワーがあったわ。本当に地面が揺れてたし、眼鏡が落ちるかと思ったぐらいだわ!」
「あのときはまだ始めたばかりでそんなに上手くなかったから――」
「むしろその時の感じでお願い!」
「うーん」
マーゲイちゃんの圧力に押され、インドゾウちゃんは渋々踊り始めます。
「はっ!」
どっすーん!
「よっ!」
どっすーん!!
インドゾウちゃんが踊る度に地面が大きく揺れ、次第にみんな不安になってきました。
「よいしょぉ!」
「あぶなーい!」
ついには建物にヒビが入り、みんなで慌ててインドゾウちゃんの踊りを止めます。
「み、みなさん、このパワフルさを覚えておいて……うっ!」
『マーゲイ!?』
ちょうどマーゲイちゃんの頭に建物の破片が落ち、マーゲイちゃんは気を失ってしまいました。
「……ここは?」
「良かった気付いたのね」
あの場にいた全員が心配そうにマーゲイちゃんを見ています。
「ごめんなさーい。こんな事になるとは思わなくて―」
「ううん、頼んだのは私だから。でも私もマネージャー失格ね。PPPの為になるつもりが、逆に足を引っ張るなんて」
「そんなことないわ」
プリンセスの言葉に他のメンバーも頷きます。
「確かにちょっとやり過ぎだったけど、マーゲイが私達のためを思ってしてくれたのは分かってるから。それにちょっとは役に立った気もするし」
「みなさん……」
マーゲイはプリンセスの優しい言葉に感動します。
これで済めば良かったのですが……。
「それでは次回特訓第二弾として海の中でも歌えるよう泳ぎの得意なフレンズに――」
『だからそれはもういい!!!!』
この時マーゲイちゃんは、普段は抜けているフルルちゃんも含めた全員のつっこみを受けることになるのでした。
おしまい
PPPマスターマーゲイ けものフレンズ大好き @zvonimir1968
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます