大人気アイドルPPP、熱愛発覚!?

底辺さんかく

マーゲイの憂鬱

ロイヤル「マーゲイ!今日も練習の監督ありがとう!また次の練習でね!」


マーゲイ「当然です!私はPPPのマネージャーですので!」


コウテイ「じゃあ、今日はお開きということで」


イワトビ「おつかれー!」


ジェンツー「お疲れ様でした」


フンボルト「え?今日の練習は終わりですか?」


ロイヤル「あなたねぇ……」


マーゲイ「ふふふ……」


可愛いアイドルたちの癒されるやり取りを思い出しながら

マーゲイは家路を辿っていた


マーゲイ「あぁーっ!今日も私のPPPは最高だったわ!!可愛くて、いい匂いがして……ぐへへ」


とても人様に見せられないゆるみきった表情で歩くマーゲイ

すると向かいから、一組のフレンズらが話しながら歩いて来た


「なんでもー、PPPのメンバーにー、恋人ができたらしいよー」


「恋人……?恋人ってなんなのだ?」


「アライさーん。知らないのかーい?じゃあー、教えてあげるよー」


マーゲイ(いまの、本当かしら……いやいや、あの子たちに限ってね)


そんな噂、アイドルにはよくあること

マーゲイはそこで考えるのをやめた

しかし……


~翌日~


マーゲイはカフェで次回のライブの演出について考えていた

すると、カフェの店長と常連客の会話がふと耳に入った


「ホントよぉ!ホントホント!ウチのカフェに来たんだからぁ!」


「……見間違いじゃないの?アイドルが熱愛なんて」


「絶対間違いなんてないよぉ!いつもあなたが座っている席でねぇ!あのPPPが!」


「本当なら、是非見たかったわ。昨日、寝過ごしちゃって……」


「そのうちまた来てくれるんじゃないかねぇ」


マーゲイ(またこの噂……もしかして……いや!そんなワケない!)


プロ意識の高い彼女たちのことだ。大丈夫に違いない

そう言い聞かせるも……


~翌日~


マーゲイは部屋でムンムン悩むのが嫌になり

頭を冷やすため雪山を歩いていた


「ねぇねぇギンギツネ」


「なによ」


「唇と唇を合わせる行為って、あれなに?」


「なっ!?あなたねぇっ!何を急に言いだすのよっ!」


「この前見たんだよ。ほらあの……ペンギンアイドルのフレンズがやってるところを」


「えぇぇっ!?そ、そーいうのは覗き見しちゃダメよ!!」


「どうして?イケナイことなの?興味ある。ギンギツネ、一緒にやってみない?」


「うわわわっ!!ダ、ダメよっ!ちょっと!寄ってこないでってば!!もーーっ!!」


マーゲイ(これは……これはさすがに……)


頭を冷やしに来たはずが、余計にあったまってしまった

部屋に戻ったマーゲイに、焦りと不安が込み上げる


マーゲイ「やばい!非常にやばいわよ!!」


アイドルにとって、熱愛発覚ほど恐ろしいことはない


『公開謝罪』『地方送り』『卒業(解雇)』『仕事激減』


マーゲイの脳内はネガティブなワードで溢れかえった

なんとかしなくては……そんな気持ちが強くなる


マーゲイ「私はPPPのマネージャーよ!PPPのためにも、応援してくれるファンのためにもなんとかしなくちゃ!!」


マーゲイは決意した

明日の練習後のミーティングで、メンバーたちに事情聴取をしよう

信じていないわけではない。信じているからこその行動だ


~翌日~


マーゲイ「ええっと、今日はみなさんに聞きたいことがあります」


ミーティング中、マーゲイは勇気を振り絞って言った


ロイヤル「あら!ちょうどいいわ!私たちからも話があるのよ!」


フンボルト「ね~」


ジェンツー「はい!」


コウテイ「だな」


イワトビ「奇遇だな!」


マーゲイ「え、そうなのですか?なら、お先にどうぞ……」


彼女らの話を聞いてからでも別に問題ないだろう。そう判断した


ロイヤル「そう?じゃあ、言っちゃうわね!」


ロイヤル「私たち、全員結婚することにしたから!!」


マーゲイ「…………………………え?」


マーゲイ「ん?え??んん???」


マーゲイは耳を疑う

いや、耳というよりもはや全てを疑った


ロイヤル「私はハシビロコウさんと!つぶらな瞳が魅力的なの!」


コウテイ「私はジャガーとだ。強くて優しい人だからな」


ジェンツー「わ、私はタイリクオオカミさんと……ミステリアスでステキです」


フルル「フルルはツチノコとー」


マーゲイ(フルルさんとツチノコさんってどんなカップルなのよ!!??)


自然とツッコミを入れてしまったが、気にすべきはそこじゃない

PPPが熱愛どころか結婚。しかも全員

唐突すぎる展開にマーゲイの頭のキャパは追いつけなかった


ロイヤル「で?マーゲイの話って?」


マーゲイ「え!?あ、あー……そのあれですね!私の話なんてもはやどうでもいいと言うか、もう気にするべき問題は解決した?というか終わったというか……終わってしまったと言いますか……」


マーゲイ「わ、私の……私のPPPがぁぁっ……うわぁぁぁっぁっぁんっ!」


マーゲイ「バタンッ!」


マーゲイは倒れてしまった


…………………………

~~~~~~~~~~


ロイヤル「マーゲイ?マーゲイ?こんなところで寝ていたら風邪引くわよ?」


コウテイ「かなりうなされてるな」


ジェンツー「悪い夢でも見てらっしゃるのかも」


マーゲイはゆっさゆっさと身体を揺らされる感覚で目覚める


マーゲイ「……ん?あぁ、私、ショックで気を失ってしまったんですね」


ロイヤル「ショック?なにかあったの?」


マーゲイ「え……もしかして、夢!?」


イワトビ「かなりうなされてたもんな。どんな夢見てたんだ?」


マーゲイは、夢の内容を話した


ロイヤル「アハハハハ!私たちが熱愛なんてあるわけないじゃない!」


コウテイ「だな。今はもっと大事なことがあるもの」


フルル「ねつあいってなんですか?」


ジェンツー「フルルさんにはちょっと早いですかねー」


イワトビ「熱愛ってなんだー?」


ジェンツー「イワビーさんにも早いです」


マーゲイは、すべては夢だったとわかった安心感からか

自然と涙が溢れだしてきてしまう


マーゲイ「うぐっ、ひぐっ……よかった!よかったですぅ……!」


ロイヤル「もう!なに泣いてるのよ!マネージャーなんだから、しっかりしてよね!」


マーゲイ「は、はいっ!」


ロイヤル「じゃ、みんな!練習再開するわよ!」


「「「「おー!!」」」」


マーゲイ「あの!みなさん!」


マーゲイの呼びかけにみなが振り返る


マーゲイ「これからも、よろしくお願いしますね!!」


マーゲイは、彼女たちと一緒に夢を追える奇跡を抱きしめて言った

愛しい彼女たちも、それに応えて笑顔で大きく頷いた



おわり

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