ぺぱぷらいぶ(B面)
けものフレンズ大好き
ぺぱぷらいぶ(B面)
ぺぱぷらいぶはプリンセスちゃんの一次離脱があったものの、大成功に終わりました。
でもその影でかばんちゃんとサーバルちゃん、そしてもちろんマーゲイちゃんも頑張ったです。
それでは少しだけ時計の針を巻き戻してみましょう――。
「
「うん、すっごく可愛かったね!」
かばんちゃんとサーバルちゃんはPPPと別れた後も、5人の話題で持ちきりでした。
2人ともらいぶ本番の日を楽しみにしています。
でも、マーゲイちゃんだけは少し違っていました。
「……やっぱり足りない」
「どうしたのマーゲイ?」
「このらいぶには致命的に足りないものがあります!」
「えー!? なにそれなにそれー!?」
サーバルちゃんが飛びつきます。
これにはかばんちゃんも気になりました。
「それは……」
『それは?』
かばんちゃんもサーバルちゃんも、ごくりと息を呑みます。
「それはスタッフ! 客の誘導とか宣伝とか舞台の点検とか、らいぶにはやらなくてはならないことはたくさんあります! でも、このままだとどんなにPPPが上手く……まあ失敗なんて絶対するはずないんだけど、とにかく上手く演じられても、それ以外の失敗で、ケチがついてしまうかもしれない! そんなことになったら私は今のPPPにも、先代にも先々代のぺぱぷにも顔向け出来ない! ファン失格、いえ、それどころかフレンズ失格よ! セルリアンに食べられてしまえばいいんだわ! そもそも――」
「ストーップ! マーゲイ話長いよ~」
「はあはあごめんなさい、つい熱が入りすぎてしまいました。鼻血も出そう」
「落ち着いてください。でもぼくもPPPのらいぶは絶対成功してほしいですし、できる限りの協力はしたいです」
「はいはーい、わたしもー!」
「2人とも……」
マーゲイちゃんはかばんちゃんとサーバルちゃんの腕をがっしりと掴みます。
「それじゃあ今から私達がらいぶすたっふです! 死ぬ気で、サンドスターの輝く限り頑張りましょう!」
『おー!』
こうして3人の裏方の仕事が始まったのでした。
「まずは宣伝です! こんな時のために自作のビラを準備していました!」
準備が良すぎるマーゲイちゃんは、2人にビラの束を渡します。
「すごーい。でもこれを1人づつに渡すのは大変だなあ」
「それにここらへんにいるフレンズは、みんなライブのことは知っていますしね……」
「そうなんですよね……」
そんなとき、かばんちゃんの前をラッキービーストが横切りました
ラッキービーストの頭には、籠に詰まれたジャパリまん。
そのとき、かばんちゃんの頭にあるアイディアが閃きました。
「あ、こういうのはどうでしょう。ビラをジャパリまんの包み紙に使うんです。ラッキーさんはいろんな所に移動しているみたいですし、これなら移動する手間もかからないし、必ずフレンズに渡せますよ」
「かばんちゃんすごーい!」
「かばんさんやりますね!」
どうやら宣伝に関してはかばんちゃんのおかげで解決しそうです
「それじゃあ次は人員誘導です! らいぶ会場が分からないフレンズがたくさん出て閑古鳥が鳴いたら困りますから」
「それに関しては、ぼくに前々から考えていたことがあります」
かばんちゃんはらいぶ会場へと続く道に、石ころでペンギンの脚のマークと矢印を描いていきます。
「こうすればみなさん分かってくれると思うんです。それにPPを知らないフレンズも興味を持ってくれるかもって。ジャパリカフェでも同じようなことをしました」
「すごいすごい! やっぱりかばんちゃんってすごい!」
サーバルちゃんは自分のことのように喜びます。
かばんちゃんまたしても大活躍です。
でもマーゲイちゃんは浮かない顔です。
「どうしたんですか?」
「その、かばんさんにはすごい感謝してます。色々らいぶのためにしてくれて。でも、肝心の私自信は散々ファンだって言ってるのに、全然役に立ってないことが情けなくて……」
「そんなことありません!」
かばんちゃんは力一杯否定します。
「マーゲイさんのPPPに対する思いがあったから、ぼくも色々なことが出来たんです。ぼくたちだけだったら、スタッフになろうとさえ思いませんでした」
「そうだよー。マーゲイもえらいよ」
「2人とも……」
マーゲイちゃんの眼鏡が少し曇ります。
「……そうですね、パーク一のPPPファンである私が、そんな情けないこと言っちゃ駄目ですよね。それじゃあ本番前日まで、今まで言ったことしっかって、本番当日は舞台チェック! しっかり頑張りましょう! えいえいえおー!」
『えいえいおー!』
――そうして迎えたライブ当日、3人は激励も兼ねて、PPPの控え室へと向かいます。
「聞いたわよ、らいぶのために色々してくれたんだって」
「ファンとして当然のことをしたまでです!」
プリンセスちゃんの感謝に、マーゲイちゃんは直立不動で答えます。
2人のやり取りに、他のPPPのメンバーもかばんちゃんもサーバルちゃんもおかしくなりました。
「3人の努力に報いるためにも、らいぶはしっかり成功させないとねみんな!」
『おおー』
「おー?」
プリンセスちゃんの言葉に、微妙に反応が遅れたフルルちゃん以外のメンバーも答えます。
ですが本番が近づくと、どうしてもみんな緊張してしまいます。
そこでマーゲイちゃんは熱心に、彼女なりの言葉で心の底から応援しました。
しかし何故か、プリンセスちゃんは一人部屋を飛び出してしまいました。
この後どうなったのか、そして何故プリンセスちゃんが出て行ったのか。
それに関してはみなさん言わなくてもわかりますよね?
おしまい
ぺぱぷらいぶ(B面) けものフレンズ大好き @zvonimir1968
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます