呪いの章~狂った街の人々達

バーニング

これを神と私は、名づけた

 自分には、やらなければいけないことがある。

 名も知らぬ街……それは、ただ自分の知識不足ではない。

 何が会ったのか……どんな大きいことが合ったのか……秘匿されているのである。


 多分、日本全国を揺るがすような何かが合ったのだ。バレたら大変な事態を引き起こす核爆弾並の巨大な事件が合ったに違いない。

 それを俺は、どうしても知りたかった。

 興味本位もあるにはある。だがその8割を覆うのは、事件をお蔵入りしてはならないと言う。根っ子からの刑事魂!!

 街全体がなかったことに何かしてはいけない。そこに暮らしていた住人は、どう思うだろうか? 悔やんでも悔やみきれないに違いない。

 警察は、一般人の味方だ。一般人を裏切るようなそんなことは、しちゃいけない。

 だからこそ究明する!! 究明したいんだ!!


『口だけじゃないと言うところを見せてみよ』


 上から神々しい声が聞こえて来た。

 今俺は、自分の家で1人なのだ。結婚もしていないし子供も居る訳がない。

 両親は、16歳の時に他界しており自給自足でここまで頑張ってきた。刑事になれたのは、きっとそんな頑張りが身を結んだに違いない。

 そのため俺以外の声が聞こえるはずないのに聞こえている。

 武士のような凛々しい声だった。声帯は、高く声変わりして居なかった。年齢は、きっと10歳にも満たない。見えないけどなぜかわかる。


『出来るのか? 出来ないのか?』


 少しせっかちらしい。


「俺は、刑事だぞ? 事件を解決出来なくて何が刑事だ!」


 冷静にそう言葉を返した。

 仕事上微かな威嚇の色が滲んでいるが相手は、気にした様子がない。満足したかのように黙り込んだ。


『じゃあやって見よ……それが嘘ではないことをこの私に示してみろ……私は、何も言わんぞ? 意地悪だからな』


「その前にアンタの名を━━━━」


 最後まで言うことは、出来なかった。

 突如として視界に白い欠片のような粒子が舞う。桜のようにひらひらと落ちていく。

 今まで合った部屋が白い空間に変わった。そこでは、声を出すことが出来ない。

 白い欠片には、睡眠薬のような成分が入ってるらしくうつらうつらと船を漕ぐ。

 自分が今立っているのか座っているのかもわからない。自分の名前すらも思い出せない。


『・・・・・・よ助けて・・・・・・塗り替えろ』


 神々しい声が聞こえた気がするがその時には、抗いようのない眠気に襲われ意識を失った。

 綿毛のもふもふとした敷布団で眠っているような凄く気持ちいい感覚。

 自分は、何処に向かっているのか━━━━無意識下でそんな独り言を嘯くのだった。

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