盆灯籠(FL御礼SS)
「盆灯籠か。この家のお墓って、どこだっけ」
美郷は目を瞬く。竹の骨組に色紙を貼付けた逆六角錐の灯籠は、当地特有の盆飾りだ。突然それを抱えて帰宅した大家は、少し迷った様子で仏間のある方向へ視線を投げた。
「山ン中だ。前に見付けてな。俺と姉さんの墓石もあったから、どうにかしとかねえと」
昨秋以降、怜路はぽつぽつと喪った過去を探している。きっとお盆ほどその好機もないだろう。美郷はそう、頷いて見せた。
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