第12話中編 本能のままに

ボクは、セルリアンだ。

でも、ボクがボクなのは変わらない。いつまでもサーバルちゃんたちと一緒にいたボクだ…でもなんだろう、この胸にある感情は…

「おーい!かばーん!大丈夫かー!!」

あ、ヒグマさんだ。心配して戻ってきてくれたみたい…あれ、なんか、どうしてだろう、ヒグマさんがおいしそうにみえ…

気がついたら、ヒグマさんを飲み込んでいた。え?

「なん…で…お、おい…かばん!?グハッ…」

なんで?なんでボクはヒグマさんを??あ、そうか、ボクがセルリアンって意識したからか。なら、しかたないですね。

「か、かばんさん!?ヒグマさんに、なにをしているんですか…」

あ、キンシコウさん。それに後ろにリカオンさんもいますね。

「まったく、持ち場を離れちゃダメじゃないですか~。セルリアンに食べられちゃいますよ。こういう風にね!」

ガバッキンッ

あら、リカオンさんにはじかれちゃいました。キンシコウさんは怯んでいるので先にこっちですね。

「かばんさん、これ以上キンシコウさんには、近づけさせません、よ…?あれ…?」

ハンターなのに遅いですね。もう左腕はないですよ。

「あ、あああ、腕がぁぁ…」

全くこれだけで。弱っちいですね。もう全部食べちゃいました。

「か、かばんさん…もう、やめてください…でないと、た、退治します…」

キンシコウさんは優しいですね。セルリアン相手に忠告なんて。でも

「その間が、命取りですよ。」

ガブリッ

「ひっ…」

弱い。弱いですよ全く。ん?

シュッスカッ

「はずしましたか…」

「これ以上はまずいのです。ここで始末しないと…助手、やりますよ」

あら、博士達ですか。

「助けに来たんですか?でも、一足遅かったですね。ハンターは3人とも始末しました」

「「なっ…」」

「このぉぉぉ!よくもヒグマをぉぉぉ」

「やめるのです!ツキノワグマ!!」

「えぃっ」

ガンッ!ドゥーン!!

「なっ…ぐわぁぁ…」

「そ、それはヒグマの力…」

「なぜあなたがそれを?」

本当だ。ボクは食べたフレンズの能力を使えるようになるらしい。これは便利だ。しかし、上で飛んでる博士達は鬱陶しいですね…そうだ。

「な、なにをしてるんですか?」

「武器でも取り出すのですか?そんなもので我々をドスッ…え?…」

「!?ミミズクー!!!」

ヒュウウウドスッ

「あーあ、一発でしたねムシャムシャ」

「うわあああ!かばん!!よくもおお」

「待って博士」

「このまま無策で飛び込むのは危ないですよぅ」

トキさんとアリツカゲラさんに止められてしまいました。このまま来てくれれば楽だったんですけどね~。

「ううっ…わかりました。我々の群れとしての強さをみるのです!!」

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