第4話 目標とルールを決めよう

 誕生日の前日に無事配達されたレスポール(PhotoGenic社製)だったが、ワクワクしながらも開梱したのは誕生日の二日後。


 一応ね、40歳だってお祝いしてくれる人達はいるわけで、前日から呑んで、当日仕事して、その晩も呑んで…。


 まあ、大人の事情ってやつです。


 そんなわけで、開梱したのだが…。


 ギターってまあ最初は色々と調整というかセッティングが必要な楽器なはずなだ。弦を張るだけじゃ、ちゃんとした音階は刻めないし、弦高の調整とかあるのだ。


 結果からいうと、調整要りませんでした。なんてこったい。


 お店が出荷する前に、全部やってくれてました。なんて親切なんでしょう。好みとか細かいことは上手になってからってことで。


 さすが初心者用セット。



 早速チューニング。


 KORGというメーカーのクリップ式チューナーをヘッド部分に取り付けてチューニングする。


 どの音に合わせればいいかは付属の教本に載っていた。


 6弦(一番太い弦)から順にE,A,D,G,B,Eと音を合わせていく。ドレミ式固定音でいうところのミ、ラ、レ、ソ、シ、ミ。


 チューニングが終わった時点でもう弾けるコードがある。Eコード。


 弦を押さえない状態を開放というが、すべてを開放している状態で弦を鳴らせば、それがEコード。


 ジャーンとやってみる。



 ………感動的です。


 俺ギター弾いちゃったよ。



 お膝にギターを乗せたまま、付属のDVDを鑑賞する。いろいろ基本的なことを教えてくれるので、有難い内容だった。が、なぜかその通りに練習とかしない。うん、しない。


 特に習ったりする予定もないのでノープランなのだが、教本の通りにもしないという…。


 まずはどうやってギターを覚えていこうか検討することにした。今更かよ。


 僕のギターの目的はあくまでも伴奏であり、唄うための道具です。それならばまずコードを弾けるようになること、そして何よりギターを弾きながら唄えるようになることが大切。


 速弾きやソロは二の次なのだ。もちろん、弾けるようになるにこしたことはないが、主目的ではない。


 しかしながら、そこは大人なわけで、どうせなら理屈もわかりたいし、応用も利かせたい。


 そこで、まずはこんな目標を立てた。



 『何か一曲弾き語りできるようになる』



 そして、目標を実現するために自分へのルールを決めた。


1.一日一回必ずギターに触る(弾かなくていい)

2.調べたこと、学んだことはすべてノートに記入する


 この二つだけ。


 社会人をやっていると毎日練習するのは難しかったりする。というか呑みに行きたい。なので、触るだけでOKという大人(?)ルールを設定。


 もう一つ、ノートに記入するのは僕の勉強法。何か考えをまとめたり覚えたりするときにノートにまとめる。どうやって記入するか、どうやったら見やすいかとかやっているうちに、内容が整理されて身になっていく感じ。



 目標とルールを決めたことで、その日は満足して、ギターを眺めてはニヤニヤしながら眠りに就いた。

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