第2話 初めてのギターを注文した

 ギターを買うと決めたら、まずはリサーチである。スマートフォンで調べまくり、ギター雑誌を立ち読みしまくる。


 ここでオッサンチートを発動する。ギターを弾けなくても知っていることがあるのだ。


 ヴォーカルがメインに意識しているのはリズム隊。主にドラムのリズムとベースのキーを聴きながら唄っている(個人によって差があります)。


 だがしかし、リズム隊を聴いていれば唄えるというものでもなく、唄いだしのきっかけはギターを聴いていないとわかりづらいのだ。


 爆音のステージで唄っていると、どこがリズムの頭だったかわからなくなったり、ベースの音がギターにかき消されて聴こえないなんていうのは、よくあることで、そんな時頼るのは、高音域で聴こえてくるギターの音なのだ。


 そうでなくてもギターは目立つし、リフやソロも音では覚えていたから、好きなバンドのギタリストがどんなギターを持っているかも当然知っていた。


 それにしても、情報が簡単に集まる。なんて便利。


 エレキギターでは大雑把に三つのカテゴリーを作って分類した。独断と偏見であるが、マーケティングでのフレームワークは大切な作業である(なんのこっちゃ)。


 ギブソン、フェンダー、それ以外の三つ…。ある意味間違ってもいないと思うし、反省もしていない。


 これはメーカーとしてではなく、形として分類した。だから布袋さんのテレキャスターもフェンダーというカテゴリーに分類した。


 ギターのその形状は弾きやすさと音色に直結する。もちろんヴィジュアルも大切。


 スタンダードになっている形状にはそれぞれの特徴があり、ある意味わかりやすい。


 ギブソンカテゴリーから雑な解説をすると、まずギブソン社から発売されているギターの本物と、他社がコピーした製品群。


 レスポールはレスポールさんが創ったギターで(ホント雑…)、B・B・キング、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジ、エアロスミスのジョー・ペリー、日本では斉藤和義氏がたまに使っている(レスポールスタンダード)。形状としては立体的で厚めのボディに太目のネックがセットネック(メーカーによってはボルトオンの場合もある)されている。手の小さい人には不向きかも知れないと感じた。


 SGは堂本バンドでリードを弾いていた元ストリートスライダースの土屋公平さんや、CREAMの頃のクラプトンが使っている。レスポールより平面的でシンメトリーな形状。ネックの特徴は一緒なので、この形も手の小さい人には辛いか…。


 他にもギブソンカテゴリーに分類したギターはあるのだけれど、キリがないので割愛する。



 次はフェンダーカテゴリー。こちらもフェンダー社から発売されている本物とそのコピー達。


 まずはストラトキャスター。僕の年代の人に一番わかりやすいモデルかも知れない。エレキギターといえばストラト。クラプトンもCharもストラトを使っている。ネックはボルトオンでレスポールより細目。初心者な僕としては購入第一候補である。


 そしてテレキャスター。布袋さんはリードギターでテレキャスを使っていたが、音色の特徴(音の粒立ちがいい)でヴォーカルが持っていることが多く、唄いやすいギターとも言われている。


 む、どうしたものか。


 こちらもギブソンと同じく、他のモデルは割愛する。



 最後にそれ以外カテゴリー。


 これはもう、説明大変すぎるのでしない。世の中にはいろんな形のギターがあるさ、くらいでいいかなって…。高見沢さんとかね。



 さて、購入するギターの形状を絞っていくことにする。


 レスポール、ストラトキャスター、テレキャスターの三択。


 ここで言っておかなければいけないのだが、僕の手は小さい。指も短いほうだ。


 となれば、ストラトとテレキャスの二択だろうと思うわけである。



 だがなぜか、購入したのはPhotoGenicというメーカーのレスポールだった。

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