勇者の愛情LVは100!~主人公(あなた)と私(プレイヤー)の恋物語(RPG)~(休止中です)

空木真

NOW LOADING


小さい頃から、人見知りで、気が弱かったんです。


それでも、決して人嫌いではありませんでした。

友達は一応、男女関係なくいましたし、仲は良かった方だと思います。


でも、小学生になった時、それは少しづつ変わっていきました。


何となくよく遊ぶ、男の子の友達がいて、いつも通りに遊んでいた時です。

ある女の子達が、楽しそうに聞いてきたんです。


「あの子の事、好きなの?」って。


私にも、もちろんその男の子にも、そんな気は全くありませんでした。

でも、どんなに否定しても、悪意の無い彼女達の好奇心は、

消えてはくれません。


余りにもそういう事が続いたので、私も、その男の子も何となく気まずくなり、

何となく互いを避け、そのまま自然に離れていきました。


こうして私は、大切な友達を失い、恋愛だけで物事を測る女の子が、

嫌いになったんです。


それから、年月が少し経ち、私の事を何かにつけて揶揄からかう男の子が現れました。

何をしても、何処に居ても、その子は他愛ない事で揶揄からかうのです。


ある日の帰り道、1人で下校していた私の前に、その子が立ち塞がり

通せんぼしました。

そして、私に言ったのです。


「お前の好きな奴を教えろ。」と。


その時の私には、好きな人などいませんでした。

もう少し下の学年の時に、少し憧れた子がいただけで。

どれだけ「いない」と言っても、その子は通してくれません。

困った私は、「以前の話」と前置きして、その名を告げました。

そして、「誰にも言わないで。」とも、約束したのです。

男の子は約束して、そのまま帰って行きました。


そして次の日、その事をすっかり忘れていた私が、登校して教室に入ると、

男子が一斉に囃し立てたのです。


「お前、○○が好きなんだろ!」と。


男の子は、約束を守る気など、最初から無かったのでしょう。

そして、別の男の子が、○○君に聞いたのでした。


「あいつ、お前の事好きなんだってさ!」


それを聞いた○○君は、どうすれば良いかわからず立ち尽くす私を見て、

嘲笑ちょうしょうを浮かべて言ったのです。


「迷惑だよ。あんな奴、好きになる訳が無い。」


・・それを聞いた時、私は傷付くよりも、納得してしまったんです。


「ああ、私を愛してくれる人は、この世界にはいないのだ。」と。


それから私は、他人が嫌いになりました。

だって、どんなにこちらが心を開いても・・相手は、私の事を好んでなど、

くれないのでしょうから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る